堅牢性を実現するための機構設計
薄型筺体でも堅牢性を損なわないため、機構設計に関しても配慮が見られる。
まずキーボード面(トップキャビネット)には、SX/NXシリーズなど従来機のマグネシウム合金ではなく、マグネシウム合金とアルミ合金を重ね合わせた複合素材を使用している。
薄さと強さを両立できるため、広く採用されているマグネシウム合金だが、その加工は難しい。特に薄型化すると金型に流れにくくなり、厚さが不均一になるといった不都合が生じやすい。そこでパナソニックは、キャスト加工した「マグネシウム合金製の骨組み」の上に、プレス加工した「アルミ合金製の板」を組み合わせることで、仕上げの美しさと強度の両立を図っている。難易度の高い工法だという。
Let'snoteのアイデンティティーと言えるボンネット天板もさらに薄型となった。ボンネットの凹凸部分を階段状に厚くし、かつ金型に上手く金属が流れるよう奥行き方向に波打ったリブを入れて、薄型でも頑丈な天板としている。
一方、タブレット操作時の使い勝手の面ではキーボードやパッドを無効化するHOLDボタンを装備。タブレット使用時は自動的に無効化されるが、液晶を回転させる途中や、ノートPCとしてマウスと一緒に使用する際、パッドを手動で無効化できる。
また、ディスプレーのベゼル部やタッチパッドの周辺などにゴム足を配置し、キーボード面を下にして置いてもキートップが傷付かないよう配慮した。
キーボードは新開発のアイソレーション仕様で、キートップに指のかかりにくい蓋型の形状とした。
またヒンジ部分にはツメを立てて、キーボードをチルトアップできる機構も用意。ビジネスノートということで、薄型筺体でもアナログRGB出力や有線LANポート、セキュリティーロックなどを備えるCF-AX2だが、端子部が大きなVGAケーブルなどを接続しても、干渉が起きにくい。
なお、このツメはディスプレーを反転した際には自動的にたたみこまれる仕組みで、同社の細かい部分へのこだわりが感じられる部分となっている。