電源周りの優秀さが光るが
発熱の多さが難点
性能面ではどうだろうか。Windowsエクスペリエンスインデックスの値は「5.9」。今世代のUltrabookとしては、一般的な値といえる。操作してみても数字なりの、「納得できる速度だな」と思う。
ただし、ちょっと気になったのは発熱の大きさだ。薄型化による代償であるのか、背面、特に中央部からの発熱が大きめになっている。フルパワーで長時間動作させると、膝の上で使うのは苦痛に感じるレベルである。タッチパッドにあまり反映されないのは助かるが、正直、ライバルに比べ発熱量が多すぎるようにも思えた。
他方で、X1では少々耳についたファンの風切り音が、かなりマイルドになっているのはプラスだ。高音部がゆるやかになり、耳障りな音が減っている。ファンの回し方をマイルドにしたため、全体の熱量が大きめになっているのかもしれない、とも感じる。
搭載バッテリー容量が多いためか、バッテリー駆動時間はきわめて優秀である。カタログ値は「約7.8時間」(BatteryMarkによる測定値)。「BBench」によるベンチマークでは、最長約7時間31分の動作が確認できた。おおむねスペック通りの値であり、これならまったく問題ない。ThinkPadの伝統ではあるが、省電力設定用のユーティリティがよくできていてわかりやすいので、自分の好みの使い方をしやすいのもプラスといえる。
BBenchによるバッテリー駆動時間テスト | |
---|---|
「マックスパフォーマンス」設定 | 「マックスバッテリーライフ」設定 |
約3時間47分 | 約7時間31分 |
しかも、X1 Carbonのバッテリー充電は高速で、フル充電まで1.5時間程度しかかからない。レノボが「ラピッドチャージ」という、「30分で85%」まで充電できる機能を備えているので、フルに使い切らずに充電していくような使い方が実用的であるのがありがたい。他方でACアダプターは大きめになっているので、日常的に持ち運ぶのは辛い。
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