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山谷剛史の「アジアIT小話」第30回

反日デモの裏で進む“本気”の日本製品不買運動

2012年09月20日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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「日本製品で恥知らずな日本を撮ってます」の紙をつける撮影クルー
「日本製品で恥知らずな日本を撮ってます」の紙をつける撮影クルー

 今、中国では市民全体から言えば決して多くない人々が反日デモに参加し、声高々に「日本製品不買」を訴えている。毎回同じように横断幕やプラカードに大きく「抵制日貨」を訴えている。「暴力的愛国」は政府が本腰を入れて否定キャンペーンを行なっているが、「日本製品不買」の訴えも徐々に大メディアによる否定の声が強まっている。

 反日デモが行なわれる頃には、毎度おなじみといっていいほど「日本製品不買リスト」の画像がウェブ上で登場し、そこには家電系ではNEC、パナソニック、ソニー、日立、富士通、東芝、キヤノン、ニコン、ブラザー、エプソン、シャープ、京セラ、サンヨー、コニカミノルタ、リコー、カシオといった企業が並ぶ。

 ほかにも車、化粧品、スポーツ用品などのメーカーが並ぶ(しかも日本企業っぽい名前の中国企業まで混ざっている)が、不買メーカー数で言えば圧倒的に家電系メーカーが多い。

日本製品不買が本気で進みはじめた!

ヤマ場となった9月18日の新聞 ヤマ場となった9月18日の新聞

 「日本製品不買」には2つのツッコミがつきまとっていた。「そんなこと言ってるけどどうせ家でこそこそ使ってるんだろう? 嘘つき」「結局中国の雇用が減って中国が苦しむだけだろ」というツッコミだ。それは日本だけでなく、中国でもよく言われている。

 日本は「尖閣諸島国有化」という一歩進んだステップに進んだこともあり、先週末は今までにないほど緊張した反日デモが行なわれた。同時にネット上を見る限りでも、日本製品不買に本気で取り組んでみようという人が増えたように思う。

 暴動化前は一気に愛国・反日の声がネットユーザーの間で極端に高まったように、一気にそして極端に多くの人が日本製品不買の考えを共有したように思う(もちろん、冷静に日本製品を引き続き買おうとする人もいる)。

不買の裏にあるのは日本製品の魅力不足?

 特にIT系でいえば日本メーカーは以前より元気がなく、絶対日本メーカーでないとダメ、というモノは少なくなっている。PCといえばレノボが圧倒的シェアであり、モバイル機器に関してはスマートフォンが出る前は日本のガラパゴスケータイが密かに人気だったが、中国のスピード感に追いつけてない感じは否めず、ローカライズされたケータイを出すもすでに人気は過ぎ去った。

 テレビについては、高品質&そこそこの値段で低価格の中国メーカーを攻めているが、そもそもとして中国でも若者を中心にPCやスマホとブロードバンドによるテレビ離れが起きていて、テレビは映像マニア向けの製品、はたまたメンツのための製品となっている。

 中国人がほしがる製品は、すでに日本のブランドではデジカメを残すのみとなっているように思うが、反日デモの映像を見てもわかるが、中国のカメラも使わず、スマートフォンで撮影している人が多い。中国人は日本のデジカメが好きなので、都市部の住民の半分くらいは持ってそうな印象はある。しかし、愛国心を高揚させる際にはスマホだけでもどうにかすることができるようだ。

 デジカメ以外のハードウェアは、尖閣問題をきっかけに短期的には「日本メーカー製品を購入対象から外す」とする人は増えると思う。中国各地のテレビ局が日本企業の広告の配信を停止することからも、ネットが使えずテレビを見ている中高年が中心の層にも、日本製品をPRできなくなるので、やはり短期的には日本製品の売上げは減少するだろう。

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