期待どおりのグラフィックス性能
しかしHDDが足を引っ張る
ではUX32VDの機体の性能を見てみよう。まずは性能指標のひとつとして、Windows 7標準の「Windowsエクスペリエンスインデックス」から。
最低値はグラフィックスの「5.8」だが、これはCPU内蔵グラフィックスの性能で計測しているため。Windowsエクスペリエンスインデックスの計測では、Optimus対応GeForce側の性能をチェックできないようなので、これは実力を反映したものとは言えない。「プライマリ ハードディスク」の項目も「5.9」と低いが、こちらは実力相応だろう。
次にストレージ単体の性能を計測してみた。比較対象には、GPU以外似たようなハードウェア構成を取る「IdeaPad U310」の計測結果を使用している。U310も500GB HDD+32GB SSDという構成である。定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.1」を使用して計測した(3回測定の平均値、小数第1位以下四捨五入)。
結果は以下のグラフのとおりで、Write性能はどちらもHDDということで大差がないものの、Read性能は圧倒的にU310の方が速い。この差を反映するように、UX32VDではWindows 7の起動(ログオンしてアプリケーションを起動できる状態になるまで)に1分以上の時間がかかっていた。
UX32VDのSSDキャッシュは、Ultrabookで一般的な「Intel SRT」を使っていないようで(当然SRTのソフトウェアもない)、これが思わしい効果が得られていない理由のひとつと考えられる。ちなみに試用機のSSDキャッシュには、Sandisk製の「i100」が使われていた。
パソコンの総合性能を計測するベンチマークプログラム「PCMark 7」の性能を計測してみた。こちらも比較対象はU310である。スコア比較は以下のとおり。ストレージ性能差が大きく出るテストだけに、同じHDD+SSD構成のUltrabookでも、U310とUX32VDでは大きな差がついてしまっている。ただし細目別に見ると、グラフィックス性能は当然ながらUX32VDの方が2倍以上高く、「DirectX 9 iteration」の項目では、U310が11fps程度なのに対して、UX32VDは倍以上の25fps以上を記録していた。
ゲーム用グラフィックスのテストとしては、「The Elder Scroll V: Skyrim」(日本語版)を使用して、どの程度のフレームレートで描画が可能かを計測してみた。Skyrimにはベンチマークモードがないので、ゲーム起動後にニューゲームを開始して、3Dグラフィックが表示されてから最初のオートセーブが行なわれるまでの平均fpsを、「Fraps」を用いて計測している。こちらはUX32VDのみでのテストである。
UX32VDにインストール後、Skyrimが自動設定した表示モードは、フルHD解像度で品質が「High」設定だった。しかしこの状態では平均15fps程度が限度で、とても快適に遊べはしない。そこで解像度をゲーム専用機並みの1280×720ドット(720p)、品質を「Middle」にしたところ、フレームレートは平均34fps程度まで向上した。さらに品質を「Low」まで落とすと、平均39fps程度まで改善されている。
実際のゲームシーンでは30fpsを下回る場面もあるだろうが、これくらい表示できればゲームプレイにも無理はなく、「3Dゲームの遊べるUltrabook」の面目躍如と言えそうだ。
この連載の記事
-
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ