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週刊 PC&周辺機器レビュー 第133回

Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD

2012年09月14日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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期待どおりのグラフィックス性能
しかしHDDが足を引っ張る

 ではUX32VDの機体の性能を見てみよう。まずは性能指標のひとつとして、Windows 7標準の「Windowsエクスペリエンスインデックス」から。

UX32VDのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

 最低値はグラフィックスの「5.8」だが、これはCPU内蔵グラフィックスの性能で計測しているため。Windowsエクスペリエンスインデックスの計測では、Optimus対応GeForce側の性能をチェックできないようなので、これは実力を反映したものとは言えない。「プライマリ ハードディスク」の項目も「5.9」と低いが、こちらは実力相応だろう。

 次にストレージ単体の性能を計測してみた。比較対象には、GPU以外似たようなハードウェア構成を取る「IdeaPad U310」の計測結果を使用している。U310も500GB HDD+32GB SSDという構成である。定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.1」を使用して計測した(3回測定の平均値、小数第1位以下四捨五入)。

 結果は以下のグラフのとおりで、Write性能はどちらもHDDということで大差がないものの、Read性能は圧倒的にU310の方が速い。この差を反映するように、UX32VDではWindows 7の起動(ログオンしてアプリケーションを起動できる状態になるまで)に1分以上の時間がかかっていた。

CrystalDiskMark 3.0.1による性能比較

 UX32VDのSSDキャッシュは、Ultrabookで一般的な「Intel SRT」を使っていないようで(当然SRTのソフトウェアもない)、これが思わしい効果が得られていない理由のひとつと考えられる。ちなみに試用機のSSDキャッシュには、Sandisk製の「i100」が使われていた。

 パソコンの総合性能を計測するベンチマークプログラム「PCMark 7」の性能を計測してみた。こちらも比較対象はU310である。スコア比較は以下のとおり。ストレージ性能差が大きく出るテストだけに、同じHDD+SSD構成のUltrabookでも、U310とUX32VDでは大きな差がついてしまっている。ただし細目別に見ると、グラフィックス性能は当然ながらUX32VDの方が2倍以上高く、「DirectX 9 iteration」の項目では、U310が11fps程度なのに対して、UX32VDは倍以上の25fps以上を記録していた。

PCMark 7によるスコア比較

 ゲーム用グラフィックスのテストとしては、「The Elder Scroll V: Skyrim」(日本語版)を使用して、どの程度のフレームレートで描画が可能かを計測してみた。Skyrimにはベンチマークモードがないので、ゲーム起動後にニューゲームを開始して、3Dグラフィックが表示されてから最初のオートセーブが行なわれるまでの平均fpsを、「Fraps」を用いて計測している。こちらはUX32VDのみでのテストである。

Skyrimでのフレームレート計測結果

 UX32VDにインストール後、Skyrimが自動設定した表示モードは、フルHD解像度で品質が「High」設定だった。しかしこの状態では平均15fps程度が限度で、とても快適に遊べはしない。そこで解像度をゲーム専用機並みの1280×720ドット(720p)、品質を「Middle」にしたところ、フレームレートは平均34fps程度まで向上した。さらに品質を「Low」まで落とすと、平均39fps程度まで改善されている。

 実際のゲームシーンでは30fpsを下回る場面もあるだろうが、これくらい表示できればゲームプレイにも無理はなく、「3Dゲームの遊べるUltrabook」の面目躍如と言えそうだ。

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