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1万人規模での経費精算もクラウドで

富士ソフトがコンカーの国内第1号パートナーに

2012年09月13日 08時00分更新

文● 渡邉利和

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9月12日、富士ソフトとコンカーは国内第1号となるパートナー契約に基本合意したことを発表した。合わせて、富士ソフトがアジア最大規模となる1万人規模でコンカーのクラウド型経費精算システムを社内導入することも発表された。

富士ソフトも自社システムをクラウドへ

富士ソフトの常務執行役員 プロダクト・サービス事業本部 本部長の野澤 仁太郎氏(左)とコンカーの代表取締役社長の三村 真宗氏(右)

 コンカーのクラウド型経費精算システム「Concur Expense」は、全世界90カ国で1万7000社以上の導入実績があり、米国ではフォーチュン500企業の61%で導入されているという。日本法人は2011年2月に設立され、今年に入ってから本格的な営業活動を開始したとのことで、すでに国内でも150社に導入されている。ただし、その多くは外資系企業であり、日本企業での採用実績は15社にとどまるという。

 富士ソフトはまず自社の経費精算システムの有力候補としてConcur Expenseに注目し、国内初のパートナー契約にまで至ったという。

 富士ソフトの常務執行役員 プロダクト・サービス事業本部 本部長の野澤 仁太郎氏は、富士ソフトでの導入の経緯について、「従来は内製のシステムを利用していたが、入力データの妥当性を検証する機能などは実装していなかった上、会計制度の変更に合わせたシステム改修などの手間を考えると、Concur Expenseを採用することで機能性の向上とコスト削減が期待できる」とし、年間30%の費用削減効果を見込んでいるとした。

富士ソフトとコンカーの補完的関係

 同社ではまず社内6000人に展開、第二段階移行にグループ企業を含む1万人に展開する予定。これは国内最大の導入事例であり、かつアジア圏でも最大規模だという。また同社は社内導入のノウハウを活かし、ERPなどの他システムとの連携を含めた提案から運用保守までをソリューションとして提供する国内パートナー第一号ともなる。パートナーとしての提供開始は10月1日で、2015年度までに200社への導入を目指す。

国内企業への認知拡大へ

 Concur Expenseは、スマートフォンやタブレット端末なども含む多彩な入力手段をサポートし、入力の省力化とガバナンスの強化という矛盾しがちな要件を両立させることを目指したクラウド型経費精算システムだ。ユーザー企業ごとに「出張宿泊費の上限はxx万円」といったルールを設定し、従業員が経費入力した時点でルール違反の有無をチェックできるため、所属長や経理部門のチェック/承認の負担も大幅に削減できる。

Concur Expenseの概要

 また、クラウドサービスであることから、社内IT部門の負担軽減にもつながる。コンカーでは、関東圏の大規模ユーザーを中心に営業活動を展開してきたが、全国に拠点を持つ富士ソフトをパートナーとすることで対象市場を大幅に拡大できる。既存の国内ユーザーは主に外資系の日本法人で、国内企業への認知拡大が課題だったが、今回のパートナー契約によってこの課題が解消される形となる。

 なお、現在の同社の顧客開拓に占めるパートナーの比率は13%に留まるが、2014年度にはこの比率を50%まで引き上げる計画であり、その大半を富士ソフトが担うことになると期待されている。

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