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メイドロボも間近!? ロボット掃除機の実力を見よ! 第2回

エンタメに優れるCOCOROBO、コンパクトなAIM-ROBO2

メイドロボと安価、両極端なロボット掃除機をじっくりテスト

2012年08月30日 12時00分更新

文● 藤山哲人

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8畳間のタイムアタックは82分!
少し丁寧すぎる感がある

 さて2m四方の領域で動きを確認したところで、実際に8畳間を掃除させると、どのぐらいの時間がかかるのかをテストしてみよう。部屋の詳細については、第1回のルンバを参照して欲しい(関連記事)。

8畳間の掃除が終わるのにかかった時間は82分とかなりゆっくり

 部屋全体を掃除する自動モードで運転したところ、82分かかった。少し丁寧すぎる気もするが、ランダム走行なので掃除していない領域を少なくするには、適切な時間なのかも知れない。なにより自分で掃除するわけではないので、COCOROBOの気の済むまで掃除をしてもらってもかまわない(笑)。

 映像を見て気になるのは、軽い家具をかなり動かしてしまうという点だ。COROROBOのバンパーセンサーは他社製に比べるとかなり重く、およそ1300gの力がかからないと反応しない。そのうえ、壁や障害物を検出するセンサーが他社製のものより少ないため、テーブルやイスなどの足を検出するのはパンバーセンサーに頼るところが大きく、家具を動かしてしまうようだ。映像に写っているイスは、それほど軽くなく普通の木製イスと同じ重さなのにかなり動いてしまった。

COCOROBOはバンパーセンサーに1300gの力がかからないと反応しないが、ロボットクリーナー ミニは300gと敏感に反応する。他の機種でも350g~550g程度で1000gを越すものがなかった

 木製でも中身がカラになっている安い家具に大切なものを置いておくと、衝撃で落ちたり倒れたりする場合があるかもしれないので注意した方がいいだろう。

強弱切り替えで運転音は軽減できるが
家具への衝突音は防げない

 COCOROBOは、バキュームポンプの強さを標準と弱に切り替えられる。標準時の運転音はおよそ50dBとロボット掃除機にしては大きめの音だが、弱にすると40dBまで下がり一番静かなロボット掃除機レベルにまで落ちる。吸引力と静寂性のどちらを重視するかが選べるのは便利だ。

 2m四方のムービーで気づいた人も多いと思うが、COCOROBOはターボファンを採用しているため「ヒューン!」という車と同じようなターボサウンドが出る。車のターボ音は加速感が伴うので気持ちいいものだが、掃除機のターボ音は始終鳴っぱなしなのでかなり耳障り。これは周波数ごとにどのぐらいの音が出ているかを示す次のグラフでも顕著に現れている。

標準運転時の周波数分析。2kHzあたりで、ひときわピークが目立っているのがターボファンのノイズ

 2kHzより少し下でひときわ目立っているのが、バキュームポンプのターボファンノイズだ。1kHzの音は深夜のテレビで試験電波を発射しているときに出る「ピー」という音だが、それより高い音が始終出ているのでかなり耳に障る。2kHzより少し高い音のピークは、駆動輪のモーター音で、方向転換をしたときに「キーン」というノイズが出るようだ。

 次のグラフはポンプを弱したときでターボのヒューン音がとたんになくなっているのがよく分かる。

ターボの音はなくなるが、方向転換時のモーター音は残っている

 これで耳障りな音は消えるものの、どうしても軽い家具を引きずってしまう音は出てしまうので、フスマ1枚で隔てた部屋を寝ている間に掃除するのは少し厳しいだろう。COCOROBOは、昼間外出している間に部屋を掃除させるのがベストだ。

ゴミ捨ては片手でOKというお手軽さ!
排気はHEPAフィルターでクリーンさも実現

 ゴミ捨ては非常に楽な上に、ゴミ捨てを忘れてもダストビンがいっぱいなのを知らせてくれるので便利だ。まず本体上部のカバーを跳ね上げ、ダストビンの取っ手を持って取り出す。ゴミ捨てはダストビンの黄色いレバーを押すだけでOK。

本体カバーは一度押し込むと少し持ち上がるので、手で跳ね上げる。ダストビンには取っ手もついているので取り出しも簡単

横にある黄色いレバーを押すと、フタが開くので手を汚さず片手でゴミ捨てができる

排気は上部から。プラズマクラスターの放出口も兼ねている

 フィルターは、家庭用では最上位クラスのHEPAフィルターを使っているため、排気はかなりキレイになる。ただフィルター前段にメッシュなどがないため、HEPAフィルターに負担がかかる。そのため、手入れが面倒な場合には、ティッシュを1枚挟み込むといい旨のアドバイスがマニュアルに載っていた。またロボット掃除機にしては大型フィルターを使い、吸引力が落ちないように配慮しているのが分かる。

 排気は上部のスリットから出すようになっているので、背面から出す機種に比べてゴミの巻き上げも少なくなるように工夫しているようだ。さらにこの排気口は、掃除を終えたあとのプラズマクラスターの放出口も兼ねている。設定で掃除終了後のプラズマクラスター放出をON/OFFできるが、静電気を除去する働きもあるので、毎回次の掃除に備えて放出することをオススメしよう。

これはスゴイ! 黒い壁や透明なガラスを
検出できる超音波センサーを搭載

 他社のロボット掃除機は、壁や障害物を検出するのに赤外線センサーを使っているが、黒い壁(幅木)や透明なガラスはセンサーの感度が鈍ってしまうので、バンパーセンサーに頼るところが大きい。しかしCOCOROBOは超音波センサーを使っているので、壁の色やガラスの家具なども確実に検出できる点がポイントだ。

壁の色が白でも、ロボット掃除機が検出するのは床から5cmほど立ち上がった幅木の部分。ここが黒いと赤外線センサーの反応が鈍る

正面中央の大きなメッシュ窓の奥にあるのが超音波センサー。片側のスピーカーから超音波を発射して、もう片方のマイクで反射した音を拾って障害物を検出する

段差センサーは先方に3つ装備

 ただ超音波センサーにも弱点がある。それは超音波スピーカーとマイク(マイクとスピーカーは同じもの)が大きいため、センサー数が3つと少なくなってしまう点だ。そのためセンサーとセンサーの間に入ってしまうイスやテーブルなどの細い障害物は、バンパーセンサーが頼りになってしまうという弱点がある。

 そしてバンパーセンサーは、前述したとおり他機種に比べ重いので、軽い家具を動かしてしまう傾向にある点に注意したい。階段などからの落下防止用には、赤外線センサーを3つ内蔵している。

 それ以外のセンサーの一覧は、筆者が独自に調べたものでメーカー発表のものではないが、次のようになっているようだ。

COCOROBO RX-V100
ダストビンFULLセンサー あり
(音声アナウンス)
壁センサー 超音波×3、バンパー
(機械式スイッチ)
階段センサー 赤外線×3
巻き込み防止センサー あり
(音声アナウンス)
走行不能センサー あり
(音声アナウンス)
床ゴミセンサー なし
空間マッピング なし
速度制御 なし
ジャイロセンサー なし

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