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Apple Geeks ― 第90回

iPhone/iPadの「プッシュ通知」機能を使いこなす

2012年08月24日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobuTELAS

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

プッシュ通知のビジネス事情

 iPhone OSがiOSと名称を変えた辺りから、いわゆる「アプリビジネス」が一気に盛り上がった感がある。その要因は複合的だが、強いてひとつ挙げるとすれば、「プッシュ通知」の普及ではないだろうか。プッシュ通知がiPhone OS 3.xで登場し、iOS 4.xで加速していった背景については、本連載第57回第67回を参照いただきたい。

iOS 5で導入された「通知センター」。送られてきたプッシュ通知を一覧できる

 先に挙げた回で書いたとおり、プッシュ通知は大きく「リモート通知」と「ローカル通知」の2種類に大別されるが、ビジネス目線で魅力的に映るのは前者だろう。なぜなら、アプリを提供した側の希望するタイミングで、ほぼリアルタイムに、しかも端末へダイレクトに、ユーザーに対しアピールできるからだ。

 その効果は、特にモバイル広告の分野で大きいと考えられる。効果音や振動でユーザーの注意を引きつけ、目線をダイアログや通知センターに移動させることができるうえ、誤タップも少ない。1回につき送信可能な文字数はメールに比べるとかなり少ないが(iOSのリモート通知では256byteが上限)、メールのように読まれもせず削除されてしまう確率は低い。端的にいえば、クリック率向上に直結する。

 この“理論”が実践に移されているのが、Andoridだ。たとえば、「Airpush」という広告配信プログラムをアプリに組み込むと、そのアプリを利用したユーザーに対しプッシュ通知を送信する。「AirPush Detector」をはじめ、今やそのような形で配信される広告をフィルタリングするアプリも出回っているほどだ。

 現在アップルは、開発者に対しアプリの審査という形でプッシュ通知の利用範囲を制限している。広告は配信できず、課金にも利用できない。個人情報や重要情報は扱えないうえ、起動後最初にユーザーの同意を得る必要がある。Androidとは異なり制約が多く、結果としてユーザーには“スパム・プッシュ通知”が届かない仕組みだ。とはいえ、ニーズの高さからして今後は緩和方針に転じないとも限らない。Androidの状況は、決して対岸の火事ではないのだ。

iOSアプリでは、初回起動時にプッシュ通知送信の許可を求めるダイアログを表示する。これはアップルのプッシュ通知に対する自制心の現れだろう

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