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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第101回

プロが仕事を諦める時 対談・佐久間正英×佐藤秀峰【業界編】

2012年08月05日 12時00分更新

文● 四本淑三

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原作と映画の関係

―― 佐藤さんの漫画は映画やドラマの原作になっていますけど、ご自身が制作に関わるという気持ちはないんですか?

佐藤 僕は脚本も読まないんです。

佐久間 おまかせで好きに料理してくださいと。

佐藤 はい。専門の方がプロの技を見せてくださいと。

―― できたものを観て、あれっと思ったりしません?

「海猿」はもちろん佐藤秀峰さんが原作を描いている。のだが、最近ではメディアミックスに力を入れた結果「映画をコミカライズした漫画」という“逆評価”を受けてしまうことも多いという

佐藤 違和感は色々感じます。僕は「助かって感動してお涙ちょうだい」みたいなのはちょっとズラしたいと思うんですけど、本当にストレートにやってしまうので、ずいぶん安くなっちゃったなあ、と思ったり。でも「海猿」なんかは「漫画もあるらしいよ」くらいの感じになっちゃってるらしい。「コミカライズしている人ですか?」って言われちゃったり。

―― あの、原作者の気持ちとしてはどうなんですか、それ。

佐藤 売る方法としては、それで正しいのかなと思います。ここは絶対キャラクターが死ななきゃダメなんですとか言っても、きっと「原作者面倒くさいぞ」みたいになるだけだし。僕は漫画が本業ですから、そこで譲らなければ映画は好きにしていただいて。(海猿は)漫画の収入より、映画の収入のほうが今年は多いんですよ。そうなると、自分は漫画家なのかなあと……。

「(海猿は)漫画の収入より、映画の収入のほうが今年は多いんですよ。そうなると、自分は漫画家なのかなあと…」

―― ああ、それは悩ましい話ですね。漫画を描いている意味は何なのかと。

佐藤 でも、やっぱり漫画を描いていたいんですよ。

―― そんなに漫画が好きですか?

佐藤 うん、好きですね。

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