前回はインテルのプロセス技術を軸に、CPU実装の変化を比較してみた。今回はAMDである。対象としたのは表の5グループ20製品である。
K7からZambeziまでのAMD CPUの変遷 | ||||||||
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製品グループ | コード名 | プロセス(nm) | 最高周波数(GHz) | ダイサイズ(mm2) | 総トランジスター数(万個) | コア数 | 2次キャッシュ(KB) | 3次キャッシュ(KB) |
Athlon | K7 | 250 | 0.70 | 184.0 | 2200 | 1 | - | - |
K75 | 180 | 1.00 | 102.0 | 2200 | 1 | - | - | |
Thunderbird | 180 | 1.40 | 119.8 | 3700 | 1 | 256 | - | |
Palomino | 180 | 1.73 | 128.0 | 3750 | 1 | 256 | - | |
Thoroughbred | 130 | 2.20 | 84.0 | 3760 | 1 | 256 | - | |
Barton | 130 | 2.20 | 101.0 | 5430 | 1 | 512 | - | |
Athlon 64 | SledgeHammer | 130 | 2.40 | 193.0 | 10590 | 1 | 1024 | - |
ClawHammer | 130 | 2.60 | 193.0 | 10590 | 1 | 1024 | - | |
Winchester | 90 | 2.20 | 84.0 | 6850 | 1 | 512 | - | |
San Diego | 90 | 2.60 | 112.9 | 11400 | 1 | 1024 | - | |
Orleans | 90 | 2.60 | 81.0 | 8100 | 1 | 512 | - | |
Lima | 65 | 2.80 | 77.2 | 12200 | 1 | 1024 | - | |
Athlon 64 X2 | Toledo | 90 | 2.60 | 199.0 | 22300 | 2 | 2048 | - |
Windsor | 90 | 3.20 | 218.0 | 22740 | 2 | 2048 | - | |
Brisbane | 65 | 3.10 | 118.0 | 22100 | 2 | 1024 | - | |
Phenom | Agena | 65 | 2.60 | 285.0 | 45000 | 4 | 2048 | 2048 |
Deneb | 45 | 3.70 | 258.0 | 75800 | 4 | 2048 | 6144 | |
Zosma | 45 | 3.50 | 346.0 | 90400 | 4 | 2048 | 6144 | |
Thuban | 45 | 3.70 | 346.0 | 90400 | 6 | 3072 | 6144 | |
AMD FX | Zambezi | 32 | 4.50 | 315.0 | 120000 | 8 | 8192 | 8192 |
「K6」を入れるべきか迷ったのだが、AMDの場合「K7」の世代と「K8」の世代でプロセス技術の断絶がある関係で、メインと言えばK8以降のSOIプロセスであろう。比較対照用にK7は入れたが、K6世代の説明は省略している。またAPUの「Llano」「Trinity」は、総トランジスター数こそ公開されているが、GPUの分がまるで不明である。しかもTrinityはまだモバイル向けのみ公開されていて、デスクトップ向けの動作周波数が不明なので、こちらも除外した。
CTIにより、同じプロセス世代でも
改善を続けるAMDの方針
まずはプロセスと最高動作周波数の関係を見てみよう(グラフ1)。朱色の破線は前回同様に一次近似を取ってみたものだが、意味が見出せないというか、長期的には直線近似っぽくはなっているが、あまりあてにならない。その理由は「CTI」(Continuous Transistor Improvement)による改善である。CTIというのは、あるプロセスノード(この例なら90nm)が立ち上がったあとでも、引き続きプロセスを改善し続ける技法である。
グラフ1で言えば、例えば180nmプロセスを使うAthlonグループの、「K75」から「Palomino」への変化からこの傾向を見て取れる。130nm SOIを使う「SledgeHammer」から「ClawHammer」(Athlon 64グループ)、90nm SOIを使う「Winchester」から「Orleans」まで(同じくAthlon 64)、「Toledo」から「Windosor」(Athlon 64 X2)までも同様だ。
またグラフ1からは読みにくいが、45nm SOIを使うPhenomグループの「Deneb」から「Thuran」までも、動作周波数こそ上がっていないがコアの数が「4」から「6」へと1.5倍に増えているあたり、トランジスターの改善があったことがうかがえる。
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