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海外版「GALAXY S III」のローカル検索機能削除 訴訟対策?

2012年07月26日 23時30分更新

文● 末岡洋子

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 Samsungが「GALAXY S III」国際版に対して行ったアップデートで、ローカル検索機能を無効にしたようだ。アメリカでのAppleとの訴訟を考慮しての動きで、販売禁止や損害賠償支払いなどの措置を回避するためと見られている。

 GALAXY S IIIのローカル検索機能が削除されていることを最初に報じたのはAdroid Central(http://www.androidcentral.com/samsung-kills-local-search-international-galaxy-s-iii-stability-update)だ。国際版のGALAXY S III GT-i9300を対象としたアップデートとして配信されたXXBLG6をインストールすると、ローカル検索機能が削除されるという。SamsungがXXBLG6配信を開始したのは7月20日で、安定性アップデート(stability update)と分類されている。

 このローカル検索機能とは、Google検索バーでキーワードを入力して検索すると、アドレス帳/スケジュール/アプリなど端末内の情報も表示するものだ。SamsungはAppleとさまざまな特許訴訟で対立しているが、Apple側の主張の1つとして、Siriが関連したユニバーサル検索に関する米国特許がある。6月に米連邦地方裁判所はこの特許の有効性を認め、Samsungの「GALAXY NEXUS」の販売差し止め仮処分を命じていた。Samsungはこの仮処分の延期を求めたが、却下されGALAXY NEXUSはアメリカ国内で一時的に購入できなくなる事態となっていた。

 Samsungはアメリカ国内でこのアップデートを開始しており、今回のGT-i9300向けアップデートはそれに続くものとなる。GT-i9300はSIMロックのない国際版で、主として欧州などで販売されているモデルだ(NTTドコモ版とは異なる)。Appleは現時点ではSiriのユニバーサル検索技術をヨーロッパでは主張しておらず、訴訟の結果が適用されないアメリカ国外でもローカル検索機能を無効にすることについては、今後のAppleの動きに予防線を張るものと見られている。

 Siriのユニバーサル特許が関連する2社間の特許訴訟は8月後半、再度米ワシントン州で審理されることになっている。Appleはまた、7月末にカリフォルニア州サンノゼの連邦地裁に提出した書類にて、Samsungに対し諸々の特許侵害による25億ドルの損害賠償金を請求していることが明らかになっている。

 欧州では先に、イギリスで自社タブレットのデザインを模倣したと主張していたAppleの主張が「Apple製品ほどクールではない」という理由から認められなかった(関連記事)。一方、独デュッセルドルフでは「GALAXY Tab 10.1N」については販売差し止めが認められなかったが、「GALAXY Tab 7.7」については欧州経済圏内での販売差し止め仮処分が下った。GALAXY Tab 10.1Nは2011年9月に同地裁でGALAXY Tab 10.1のデザイン模倣が認められたことを受けて、Samsungが欧州市場向けに作成した修正版である。

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