拡張性と冷却システムをチェック
ではCOSMOS IIの拡張性と冷却システムを同時にチェックしていこう。本体が大きいだけあって対応フォームファクターはATXやXL-ATXを軽く通り越し、SSI EEBまでサポートする。シャドウベイはケース全体で11台分、前面のリムーバブル分を含めれば全部で13台のHDDを内蔵できる。
内部設計でおもしろいのは、Antecが「P280」で採用しなかった、電源とマザーボードをセパレートする設計がCOSMOS IIでは生き残っている点だ。下段部分には6基分のシャドウベイがあるが、それを冷却するファンを利用して下段は左側面→右側面へ空気を通す点が独特だ。
冷却ファンは……200mm、背面140mm、天井の1基とストレージエリアの2基は各々120mmという構成だ。
これらのファンはマザーのファン用コネクターに接続してもよいが、ケース内蔵のファンコントローラーに接続すれば3段階のファン速度に調整できる(4系統9基のファンまで制御可能)。さすがにすべて回すと騒々しいが、パーツ構成やTPOに合わせて停止すればかなり快適に使えそうだ。
ただその分配線関係が面倒なのはやや残念なところ。マザーのヘッダーピンへの接続に加え、ファンやファンコン関係のケーブルがとにかく多い! 幸い裏配線スペースは25mm以上タップリと確保されているため、ケーブリングの腕前の見せどころだ。
COSMOS IIは誰にでもお勧めできるPCケースではない(これを置ける人はかなり限られると思う)。組み込みそのものは楽だが、COSMOS IIのポテンシャルを完全に引き出せるパーツ構成でないと、実売4万円近い投資に見合った効果が得られないだろう。使う者を選ぶが、正しく使えば最高の環境が構築できる。まさに“選ばれし自作猛者”のためのPCケースといえる。
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