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長~く使える極上のPCケース2012 第3回

長~く使える極上のPCケース2012【NZXT&コルセア編】

2012年07月25日 11時00分更新

文● 加藤 勝明

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一見イロモノ、しかし実力はホンモノ

 デュアルCPUマザー格納も可能なだけに、冷却パーツの構成もかなり柔軟性を持つように設計されている。標準装備のファンは4基、すべて140mmと割とおとなしめな仕様だが、天井部分と床部分に大きな余裕があり、それぞれに水冷のラジエーターを取り付けることができる。特に天井とマザー上端のクリアランスは75mm程確保されているため、かなり厚めのラジエーターとファンを同時に固定可能。しかも3連ファンタイプの大型ラジエーターも楽に固定できるのだ。

天井部分は手動で開閉するルーバー風のカバーで覆われている。樹脂製なのでちょっと強度的に心配な面もあるが、こういう開閉ギミックは“男子のツボ”を直撃してくれるものだ

 各ファンは標準的な12V、3ピン仕様(すべてペリフェラル4ピン変換コネクタ付き)なので、マザーボードのケースファンコネクターを使ったファンコントロールが可能だ。すべて大口径ファンなので低速回転の静音仕様、冷却重視の大風量のどちらにも対応できるのが強みと言えるだろう。
 ただ、200mm角オーバーのファンは市販されている製品が少ない上、固定用のネジ穴が合わない可能性があるなど、気軽にファン交換は行ないにくい。ケース購入時には予備の交換ファンも同時に入手しておくのが安心だ。
 水冷システムへの考慮もなされており、リアには水冷用ホースを通すためのホールが3つ用意されるほか、天頂部の200mm角ファンを外せば200×360mmの水冷ラジエーターを搭載することが可能だ。

天井と背面ファンの2つでCPU回りの空気を吸い出す定番の設計。写真だと遠近感が掴めないためすごく近く見えるが、マザーを装着するとマザー上端と天井ファンの間にはかなりのクリアランスができる。ATX12Vのケーブルを装着しようとして手が入らない! という事態にはならないのだ

フロントパネルはワンタッチで着脱可能。フロントからのホコリを遮断するフィルターはパネルごと洗浄するおおざっぱ……もといアメリカンな設計。黒いメッシュ部分からホコリ入りまくりな気がするが、そこは気にしない方向で!

エアフィルターはフロントのほか、底面の前後に1箇所ずつ。ケースを閉じたままワンプッシュすれば飛び出す便利な設計だ

ドライブベイの内側にも140mmファンを1基内蔵。このファンは約30度上に傾けることができ、ビデオカード表面はもとよりCPUクーラーへ気流を当てるのに使うことが可能だ。下にもう1台ドライブベイがあるが、ここにも140mmファンを増設することができる

中を開けてちょっと面白かったのは、裏配線用スペースに隠されたこの小さな基板。標準搭載のファンの電源供給のほか、さらにここからペリフェラル4ピン×4の分岐ができる。基板がマジックテープ固定というのも手作り感があっておもしろい

 ドライブベイ回りの設計はちょっと独特だ。5インチベイ×4、3.5インチ×6、2.5インチ以外はドライバーレスで固定可能と内容的には普通だが、3.5インチ用のシャドウベイの作りがやや特徴的だ。3台ずつ格納するケージに格納され、必要のないケージは取り外すことが可能。この開いた空間に水冷ポンプやリザーバーなどを設置できる、というのがSWITCH 810の売りだ。
 ただケージからドライブを抜くのには、必ずマザー裏のパネルを開ける必要があるため、メンテナンス性はちょっと落ちる。ここがこの製品のネックといえるだろう。

HDDの着脱にはマザー裏側からのアプローチが必須。ケーブル類は全て裏側から引き込むのでHDDをマザー表側から引き抜くデザインにしても無意味、という設計思想なのだろう

ちなみに、電源延長ケーブル(ATXメイン用8ピン)が同梱されているので、裏側配線時にケーブルの長さが足りないということはない

5インチベイの最下段には、2.5/3.5インチ兼用のホットスワップベイ(SATAのみ)が標準装備。裏側のインターフェース基板はネジで固定されており、ここ以外には設置できないのが少々残念なところ

 最後に注目したいのはI/Oパネルと拡張ボードのスペースに組み込まれたLED。普段机の奥に隠れて見やしないよ、というユーザーが大多数だと思うが、あえてここをライトアップするのはやっぱりアメリカのメーカーならではのセンスというべきか。見た目のインパクトと拡張性なども両方欲しい人なら、ぜひチェックしてほしい製品だ。

I/Oパネルと拡張ボードのスペースには、メンテナンス時に暗い手元を照らるための白色LEDが組み込まれている。このLEDはフロントパネルのボタンででON/OFFが可能だ

カラーリングはブラックもラインナップされている。ホワイトモデルとは印象がガラリと変わる

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