一見イロモノ、しかし実力はホンモノ
デュアルCPUマザー格納も可能なだけに、冷却パーツの構成もかなり柔軟性を持つように設計されている。標準装備のファンは4基、すべて140mmと割とおとなしめな仕様だが、天井部分と床部分に大きな余裕があり、それぞれに水冷のラジエーターを取り付けることができる。特に天井とマザー上端のクリアランスは75mm程確保されているため、かなり厚めのラジエーターとファンを同時に固定可能。しかも3連ファンタイプの大型ラジエーターも楽に固定できるのだ。
各ファンは標準的な12V、3ピン仕様(すべてペリフェラル4ピン変換コネクタ付き)なので、マザーボードのケースファンコネクターを使ったファンコントロールが可能だ。すべて大口径ファンなので低速回転の静音仕様、冷却重視の大風量のどちらにも対応できるのが強みと言えるだろう。
ただ、200mm角オーバーのファンは市販されている製品が少ない上、固定用のネジ穴が合わない可能性があるなど、気軽にファン交換は行ないにくい。ケース購入時には予備の交換ファンも同時に入手しておくのが安心だ。
水冷システムへの考慮もなされており、リアには水冷用ホースを通すためのホールが3つ用意されるほか、天頂部の200mm角ファンを外せば200×360mmの水冷ラジエーターを搭載することが可能だ。
ドライブベイ回りの設計はちょっと独特だ。5インチベイ×4、3.5インチ×6、2.5インチ以外はドライバーレスで固定可能と内容的には普通だが、3.5インチ用のシャドウベイの作りがやや特徴的だ。3台ずつ格納するケージに格納され、必要のないケージは取り外すことが可能。この開いた空間に水冷ポンプやリザーバーなどを設置できる、というのがSWITCH 810の売りだ。
ただケージからドライブを抜くのには、必ずマザー裏のパネルを開ける必要があるため、メンテナンス性はちょっと落ちる。ここがこの製品のネックといえるだろう。
最後に注目したいのはI/Oパネルと拡張ボードのスペースに組み込まれたLED。普段机の奥に隠れて見やしないよ、というユーザーが大多数だと思うが、あえてここをライトアップするのはやっぱりアメリカのメーカーならではのセンスというべきか。見た目のインパクトと拡張性なども両方欲しい人なら、ぜひチェックしてほしい製品だ。
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