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楽天撤退でも前年比1.7倍!北欧雑貨店のSEO戦略 (2/3)

2012年08月06日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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1年半かけて楽天から撤退

 そもそも、青木氏が楽天市場へ出店したのは、楽天という検索エンジンに乗せてもらえるからという明確な理由があった。ところが、実際に出店してみると、その検索エンジンのアラが目立ったそうだ。

「少なくとも僕が出店していたときは、SEO対策をすれば上位にくるシステムではなかった。せいぜい商品ページのタイトルと、キャッチコピーを拾うぐらいで、商品の説明文などはまず読んでいなかったと思います。もっとも、うちのような雑貨は、『こんな雰囲気の商品で…』と曖昧に検索する方がたくさんいますから、もともと楽天の検索エンジンとは相容れない面はあったと思います。その頃から、撤退の二文字が頭をよぎりました」

 とはいえ、全売り上げの35%を占めていたのだ。撤退にあたり、不安はなかったのだろうか。

「もちろん、ありましたよ。だから、その後、1年半かけて売り上げ比を下げ、撤退月には8%まで落としました。その間、新商品は一切アップせず、1円の広告費も投資しなかったんですから、当然、売り上げは下がりますよね」

 いざ撤退しても、自社サイトの売り上げに影響はなかった。撤退以後も前年同月対比170%超の成長ペースが落ちることはなかった。

楽天市場を撤退した翌月から本店アクセス数も20%以上向上しました。おそらくポイントが使えるなどの利便性を理由に楽天市場店でお買い物していたお客様の多くが、本店に足を運んでくださったのではないかと推測しています」

「北欧、暮らしの道具店」はリアル店舗も運営している。中央線国立駅から徒歩数分のところにあるが、遠方からのお客さまも多い

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