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行っとけ! Ubuntu道場! 第58回

~師範、日本語Remixの作り方を教えてください!~

2012年07月12日 12時00分更新

文● 水野 源(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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日本語Remixの作り方は?

瀬尾浩史:ではそろそろ本題に入るペン!

ミズノ:Remix CDの作り方ですが、冒頭でやまねさんが指摘してたように、最近変わったんですよね。

あわしろいくや:具体的には11.10からですな。

編集S:じゃあまず、11.10以前はどんな風に作ってたか教えれ。

やまね:リーダーによる、ぬくもりあふれる手作業です(キリッ

瀬尾浩史:……ペン?

小林:手作業ですね。大事なことなので二度言いました。

ミズノ:つまり、本家CDの中身を取り出して、必要な変更を加えたものを再圧縮して、ISOの形にするという作業を手動で行なっていました。

hito:もうちょっと具体的にLive CDの構造から説明しましょう。Live CDの中身をファイルブラウザで開いてみるとわかるんですが、こんな感じになってますよね。CDの中にfilesystem.squashfsというファイルがあるんですが、これが「Liveセッションでルートファイルシステムとしてマウントされるもの」を圧縮したものになります。

瀬尾浩史:squashfsっていうのがファイルシステムの名前ペン?

hito:Live CDなどでよく使われるファイルシステムで、読み込み専用のファイルシステムを圧縮したもの、くらいに理解しておけばいいかと。

編集S:おk、なんとなくわかったような気になっておく!

Remix CDのcasperフォルダの中身はこのようになっている。CDの容量のほとんどを占めているのがfilesystem.squashfsだ。これがLive CDのルートファイルシステムになる

あわしろいくや:CDに変更を加える場合は、ISOの中からfilesystem.squashfsを取り出して、中身に変更を加えて再圧縮するわけですな。

小林:はい。変更を加えて作り直した後に、他の必要なファイル一式とともにISOイメージの形にします。

さかもっちー:この作業を、リリースごとにリーダーが手でやっていたぐにゅう。

瀬尾浩史:リーダーの愛を感じるペン!

編集S:それは涙なしには使えない。

ミズノ:それが11.10から、ubuntu-defaults-builderという「ローカライズRemixを作るためのフレームワーク」が提供されました。現在のRemixはこれを利用して作られています。

瀬尾浩史:それはどういうものペン?

hito:ubuntu-defaults-builderは、テンプレートとなるパッケージを元に、Remix CDを直接構築する仕組みです。Remixの「設計図」となるテンプレートパッケージを用意してコマンドを叩くと、必要なパッケージを取得して、ISOイメージをゼロから組み立ててくれます。

編集S:それは便利そうだ!

あわしろいくや:「リリースされた本家版」という成果物に、後から直接手を入れていた従来の方法に比べると、どっちが筋が良いかは言うまでもありませんな。

小林:Ubuntuプロジェクト的には、これを使って各地のローカライズRemixを積極的に作ってほしいようですね。

編集S:カスタマイズされたCDを作るといえば、remastersysとかもあったけど?

ミズノ:remastersysは「現在使っている環境をLive CDとして落しこむツール」なので、アプローチの方向としては逆ですね。またいくやさんが言っているように、Remix的なものを作るための方法としては、あまり筋はよくありませんね。

やまね:たしかに、第三者に配布するものを作るのに、実際に動いている環境のコピーを使うっていうのはちょっとね。

小林:その点ubuntu-defaults-builderは、クリーンな環境でISOをビルドできますからね。

編集S:便利になったのはよかったけど、リーダーの手作りRemixがなくなったのは、ちょっと寂しいような。

ミズノ:なに言ってるんですか。今でもありますよ。

編集S:え、どこに?

あわしろいくや:ヒント うぶまが

小林:Ubuntu Magazineの付録DVDは、ubuntu-defaults-builderで作ったISOに、手作業で仮想マシンイメージを足しています。

hito:仮想マシンイメージ自体も、小林さんがOEMインストールモードを使って手作業で作っていますし。

編集S:なんと。失われたと思ったリーダーの愛が、今でもうぶまがで生き残っていたなんて……(感涙)。


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