このページの本文へ

「MM総研大賞2012」表彰式が開催—大賞はサムスンGALAXY

2012年07月11日 20時30分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 MM総研は11日、「MM総研大賞2012」の表彰式を東京・白金台のシェラトン都ホテル東京で行なった。

 MM総研大賞は、IT産業の発展を促すきっかけになることを目的に、2004年から実施しているもので、今年で9回目。優れたIT技術によって積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものと位置付けている。

 今回は、次世代のスマート社会の核となる製品およびサービス分野を4分野選定し、分野ごとに「最優秀賞」を選出。さらにIT産業に大きなインパクトを与えた製品およびサービスに対して「話題賞」を授与。モノづくり分野での代表的な商品を「ものづくり優秀賞」として選定した。加えて、省エネなど環境配慮に優れた製品およびサービスを「グリーンIT賞」として選び、これらの製品の中から大賞を選んで表彰した。

 大賞を受賞したのは、サムスンのスマートフォン「GALAXY」。次世代ネットワーク製品・サービス部門のスマートフォン分野でも最優秀賞を受賞している。

サムスンのスマートフォン「GALAXY S III」

サムスン「GALAXY Note」

 そのほか、次世代ネットワーク製品・サービス部門では、トレンドマイクロの「ウイルスバスター モバイル for Android」、AppBankの「AppBank」、NECビッグローブの「Andronavi」、NTTコミュニケーションズの「050 Plus for Biz」が最優秀賞を受賞。

トレンドマイクロの「ウイルスバスター モバイル for Android」

 グリーンIT賞はインターネットイニシアティブ(IIJ)の「松江データセンターパーク」、ものづくり優秀賞はNECの「InfoFrame Relational Store」と日本IBMの「Netezza」。

 話題賞は、日本交通の「日本交通タクシー配車」、東京ガスの「スマートエネルギーネツトワーク」、パナソニックの「Charge Pad」、キングジムの「ショットノート」、東武タワースカイツリー「東京スカイツリー」、NTTドコモ/富士通の「らくらくスマートフォン F-12D」がそれぞれ受賞した。

パナソニックの「Charge Pad」

キングジムの「ショットノート」

NTTドコモ/富士通の「らくらくスマートフォン F-12D」

 大賞を受賞したサムスン電子ジャパンの石井圭介専務端末営業本部長は、「全世界の携帯電話市場は年間16億台。そのうち、サムスンの出荷台数は4億台。その半分をスマートフォンで占めたいと考えている。日本の携帯電話市場は約4000万台で世界市場の約2.5%。GALAXYシリーズは累計で全世界4000万台を出荷しており、日本ではNTTドコモを通じて、今月中には300万台を出荷することになる。7月から下期が始まっているが、日本では一日平均1万人以上、ユーザーを増やすことを目指している。

 GALAXY Noteでは、新たな提案を行なっており、手書き部分やアプリケーションなどにおいて、日本独自のものも入れている。また、北海道から沖縄まで全国1000ヵ所で体験会を開くなど、膨大なマーケティング費用をかけている」などとした。

 また、「サムスンは製品を作るだけでなく、市場を作るのが大きな使命である。サムスンの創業者は日本の大学を出ており、日本を元気にしたいと考えている。現在サムスンは、韓国からの売り上げ構成比が10%であり、どこの国の企業とはいいにくい状況になっている。むしろ、現地ごとに本社を作り、現地に根ざした活動を行なっている。サムスン電子ジャパンを日本の企業として根付かせてもらえるように努力したい」などと語った。

大賞の表彰を受けるサムスン電子ジャパンの石井圭介専務端末営業本部長

挨拶するサムスン電子ジャパンの石井圭介専務端末営業本部長

 審査委員長を務めた東京大学の安田浩名誉教授は、「昨年はエコ分野から大賞が表彰され、今年も震災後の影響が残っていたこともあり、エコ関連製品が多くなるとの見方もあった。また、スマート分野はまだ少し早いという声もあったが、結果としてはスマートの領域からの受賞が多くなった。大賞の選出には苦慮した。これは僅差で選ばれたものである。個人的には、大賞は日本の企業にしたいと考えていたが、審査員の声を聞くとGALAXYの評価も高い。私も偶然それを使っていた。日本の企業にもがんばってほしいという思いも込めて、大賞を選出した。次の日本の元気につなげてほしい」と語った。

審査委員長を務めた東京大学の安田浩名誉教授

 MM総研では、大賞の受賞理由として、GALAXYに象徴されるサムスンのグローバル展開における迅速な意思決定と遂行力といったビジネスモデルを評価。「優れた人材を集め、スマートフォンに開発リソースをシフトし、顧客ニーズに合致した商品を他社に先駆け投入し、12年1〜3月期にはスマートフォン市場で世界トップシェアを獲得した。プロモーションでもグローバル市場におけるGALAXYブランドの確立に向けたさまざまな施策を展開。名実ともにスマートフォンを代表する機種となった。審査会議では、満場一致で大賞に決定した」としている。また、「審査会議では、グローバル展開を進める国内企業のさらなる奮起にも期待したい、との講評もまとめられた」という。

MM総研大賞2012の受賞者たち


■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン