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山谷剛史の「アジアIT小話」 ― 第25回

世界のテレビが見られる? 中国で話題の「電視棒」を買ってみた

2012年07月10日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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 中国を長い期間ウォッチしていると、年に何回か「どう見ても地雷だけど、そこはあえて踏んで爆発してみたい」と思うガジェットと出会うことがある。

 今回見つけたその地雷は「3D電視棒」という名の「世界のテレビ番組がPCでHD画質で見られる」という商品。

電視棒を売る露店

 場末の中古品専門電脳街や山寨機(ノンブランド携帯電話)市場前の路上で販売されており、お粗末な露店に、ダマす気満々なんだか商品知識が皆無なのかわからない売り子、謎の美女を配置し、ありとあらゆる魅力的な文言を並べ立てたパッケージと、地雷としては申し分ない。

 パッケージには1500台湾ドル、製品には398元と書いてあるが、売り子に聞けば「20元だ、お得だろう」と言ってくる。

 検索サイトの百度(中国)で「電視棒」をキーに検索してみれば、多数の「電視棒」製品に関するニュースが掲載されている。

ネット上では多数の電視棒についての広告があるネット上では多数の電視棒についての広告がある

 中国メディアは広告記事を広告記事と明記せずに掲載するきらいがあるが、電子棒に関するニュースは「第10世代 苹果(りんご)電視棒最新版!」「電視棒iPad9登場!」「ニセモノは買うな、これがホンモノの電視棒だ!」と、どれも露骨なまでの広告記事ばかり(しかも製品のネーミングがひどい)。

 中国全土の各販売業者はいったいどれだけ広告費を投入しているのだろうと思うほど、さまざまなメディアに日々このニュースが掲載されている。

なにはともあれ「電視棒」を買ってみた

購入した「電視棒」。3D対応版だ購入した「電視棒」。3D対応版だ

 これは買うしかあるまいと露店で購入に踏み切る。20元と言っていたのに50元と売り子にふっかけられたが、その理由は「3D対応版」だからとか。いまどき電脳街での商品購入では出くわさない詐欺師っぷりに驚き、売り子との交渉も相手は強気で、結局50元(650円弱)で購入した。

 パッケージには「セットアップ不要、月額無料、検索不要」と書いてある。早速筆者の日本語Windows 7の入ったノートPCに挿してみると、USBメモリーと認識し、「iPad TV6」というソフトが起動した。

メインメニュー画面メインメニュー画面。「iPad TV 6」と書いてあるのは画面のUIのイメージからだろうか?

 アイコンの上にカーソルを合わせるとアイコンが拡大するあたり、それっぽくなっている。書き込みはできず、ディスクサイズはautorun.infと「iPad TV6」なる実行ファイルのみで、総ファイル容量は驚きの198KB。

 中国では各テレビ局がコンテンツをネットで無料配信している。このソフトは、各テレビ局の各チャンネル再生にリンクしていて、中国国内のテレビ局を選択し、さらに番組を指定すればPCで中国のテレビがライブで見られる。

海外のテレビを見るボタンはあるが……

 確かに月額無料である。問題は中国国内のテレビしか選択できず、中国国外のテレビについてはボタンはあれ、押しても中国のテレビ局一覧になってしまう上に、ウェブブラウザーが立ち上がり中国のポルノコンテンツの広告が表示されてしまう。なるほど確かにテレビに関しては検索するまでもないわけだ。

3D映像。ただし日本のコンテンツは動画サイトの都合で再生できず3D映像。ただし日本のコンテンツは動画サイトの都合で再生できず

 映画ボタンがあり、これをクリックすると「優酷」(Youku)などの動画サイトが表示された。3D映画ボタンもあるが、やはり動画サイトの3Dコンテンツのページが表示された。

インターネットラジオ機能インターネットラジオ機能

 このほかにラジオボタンがあり、こちらは世界中のインターネットラジオのリンクがまとめられている。1クリックで世界のインターネットラジオを聞くことができた。つまり、世界中のインターネットラジオと、中国国内の映像コンテンツがまとめて視聴できる、という製品だったわけだ。

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