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クライアントライセンス無償に続く、TCO革命2.0の中身は?

サイロ化した重複排除を解き放つHP Data Protector 7

2012年07月04日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月3日、日本ヒューレット・パッカードはバックアップソフトの新版「HP Data Protector 7」を発表した。昨年、「TCO革命1.0」と謳い、クライアントライセンス無償という特徴を打ち出してきた同製品だが、今回は重複排除の標準化やストレージとの統合を謳う。

顧客の投資の重複排除を目指す

 HP Data ProtectorはHP純正のバックアップソフト。従来はHP-UXでの利用を前提としていたが、現在ではWindowsやLinuxなどのOSにも対応し、幅広いバックアップの需要に応える。クライアントライセンスが不要という特徴を持っており、対象の仮想マシンの台数に問わず、同じライセンス費用で利用できる。

日本ヒューレット・パッカード インフォメーション・マネジメント統括本部 統括本部長 東アジア担当 春木菊則氏

 事業戦略について説明した日本ヒューレット・パッカード インフォメーション・マネジメント統括本部 統括本部長 東アジア担当 春木菊則氏は、HPインフォメーションマネジメント事業部が情報の保護や活用を主軸に据えたビジネスを展開している点を説明。その中の重要なパーツであるData Protectorは、「TCO革命1.0」の旗印の下、クライアントライセンス無償を打ち出した6.2の発表以降、好調な実績を上げているとアピール。業界では一桁成長なのに対し、Data Protectorではドルベース29.6%の成長率を記録していると説明した。また、過去2年でx86サーバー向けのライセンスも約2.1倍の成長となっており、HP-UX以外の実績も徐々に伸びているという。こうした勢いをかって、今回投入されるData Protector 7では「お客様の投資の重複排除を目指す」(春木氏)とのことで、重複排除の強化による投資の保護を大きく謳った。

日本ヒューレット・パッカード インフォメーション・マネジメント統括本部 事業戦略室 室長 森藤康之氏

 続いて、バックアップにおけるユーザーの課題とData Protector 7の新機能について説明したインフォメーション・マネジメント統括本部 事業戦略室 室長 森藤康之氏は、データが爆発的に増大してきたことで、データの転送量やバックアップ時間、そしてライセンス費用が増大している現状を指摘。こうした現状があり、クラウドや仮想化が浸透しつつある状況においては、Data Protectorの特徴であるクライアントライセンス無償というモデルが効くと説明した。「他社のようにエージェントごとに課金されない。ライセンスコストは最大で65%削減できる」(森藤氏)という。

ライセンスコストを大幅に下げることが可能

 また、OSや用途ごとに異なるバックアップソフトを用いているという課題に対しては、Windows/Linux混在環境でも利用でき、アプリケーションもシステムのバックアップも可能なData Protectorがすべてのニーズを満たすとアピールした。

重複排除の位置を要件にあわせて選択できる

 そして、今回のセールスポイントが重複排除の強化だ。従来、Data Protectorではバックアップ先となるターゲットサイドでの重複排除のみ対応していたが、今回からは元データのあるソースサイド、バックアップサーバーサイドでも重複排除が可能になった。重複排除を行なう位置に関しては、CPU負荷やリストアの手間などで考慮すべき点があるが、今回のData Protector 7では要件に合わせてユーザー側で選択できる。また、データ量を大幅に削減することで、遠隔地へのDRにも有効だという。将来的には、HPのストレージ製品と連携し、ソースサイドで重複排除したデータを直接ターゲットに格納するソリューションも展開される予定だ。

ソースサイド、サーバーサイド、ターゲットサイドのすべてで重複排除が効く

 また、重複排除はオプションではなく、Data Protector 7の標準機能として提供されるという。森藤氏は、「他社は重複排除がオプションで、しかも非常に高価。これが重複排除の導入を阻害している」と重複排除のコスト面での敷居の高さを指摘。Data Protectorの重複排除はアドバンストバックアップライセンスで搭載されており、ディスクオプションのみで利用できるため、10TBのバックアップであれば、他社に比べて最大で約1/10程度のコスト削減が実現するという。

Data Protectorでの重複排除機能は標準で提供される

 無償のクライアントライセンスに加え、重複排除の標準機能化を打ち出したことについて、森藤氏「なぜ安いのかと聞かれるが、これはHPがソフトウェアとハードウェアを両方とも開発しているから。Data Protectorでも(重複排除ストレージで採用されている)StoreOnceのテクノロジーを採用している」と説明した。また、互換性のない技術をまたぐごとに重複排除の処理が繰り返される「サイロ化」を防ぎ、「連合化した重複排除エンジン」が効率的な重複排除を実現するという。

StoreOnceのテクノロジーを連携させることで重複排除をより広範囲で運用させる

 重複排除の強化のほかにはアプリケーションリカバリ機能も強化された。従来、VMwareやSharePointのみに対応していたGRE(Granular Recovery Extension)がExchangeにも対応し、単一アイテムごとのきめ細かなリストアが可能になった。希望小売価格は18万7950円(税込)~となっている。

 オートノミー事業も統括するインフォメーションマネジメント事業部では、より踏み込んだバックアップデータの活用を検討しているとのこと。今後の戦略についてコメントした春木氏は、「米国ではオートノミー自体がSaaS型でバックアップサービスを提供している。また、バックアップデータはリストアしないと役に立たないが、インデックスを付けることで、検索もできるようになる」と、今後の製品やサービス展開に含みを持たせた。

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