スマートフォンはユーザーのエージェントになっていく
だからこそ「しゃべってコンシェル」に注目したい
GALAXY S IIIというと、そのソフトウェア面での使い勝手が評価されているが、今後は物理的な身体論的なところもいよいよ重要になってくる。もちろん、この点はより吟味して作られたスマートフォンがほかにある可能性も高い。しかし、この端末で感じるのは端末全体をとおしたコンセプトである。「スタンダードなスマートフォン」を突き詰めた上に、モーション操作で端末を操作できる「Motion UX」により、物理的にもっとやれることがあるというコンセプトをプラスしている。
その意味では、ドコモのスマートフォンでは「しゃべってコンシェル」が使える点も大きい。スマートフォンで得られる「体験」を大きく変え始めているのがエージェントだとされている。ドコモはiモード端末でも「iコンシェル」という形で製品化してきたが、いわゆる音声エージェントの「しゃべってコンシェル」はなかなか楽しい。
もともと私の声は音声認識ソフトとの相性がとてもよくて、あるPC用ソフトで朝日新聞の「天声人語」をなんとなく読みあげたら一言一句間違いなく認識されたことがあった。そんな私だからなのか、いかにも機械に話かけているというふうではなく、電話の相手に向かって話をしているような調子でやっても認識される。聞けば、6月末のバージョンアップでQ&A機能の追加など、大幅にクオリティーが向上したのだそうだ。
スペックでも方向性でもよいのだが、明確な言葉にできる目標をかがけて製品を作るということが重要なのだ。GALAXY S III では、そうやって作られた製品であることをヒシヒシと感じるのである。それはずばり「スタンダードなスマートフォンを作る」ということなのだろう。これから、スマートフォンにどんなことが求められていくか考えた結果なのだ。GALAXY S IIIでは、それがワンセグやおサイフケータイ機能の搭載とあいまって“使える”端末になっている。
ところで、私の夏のポケット問題だが、たぶん7インチタブレットは休ませて、スマートフォンを選ぶのが賢明に思えてきた。その場合、GALAXY S IIIは有力な候補となる。
※ iモードには対応しておりません。
※ 商品および画面はイメージです。
※ 掲載の内容は2012年7月6日現在の情報です。
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