今回試用したのは、CPUにCore i5(1.7GHz)、フラッシュストレージ(いわゆるSSD)を128GB搭載したモデル。すでに述べたように、重さやサイズ、デザインは、2011年モデルと比べてほぼ変更がない。11インチモデルとしては第2世代にあたる2011年モデルから、バックライトキーボードとThunderboltインターフェースが採用されているが、この点もまったく同じである。今回は内部アーキテクチャーがIvy Bridge世代になり、動作速度などの点で変化が生まれているのが主な違い、ということになる。
Ivy Bridge世代になって生まれた変化は、USBインターフェースが「3.0」ベースになったという点だ。デザイン面ではまったく同じで、Windows PCのように「青色」のコネクターにはなっていない。アップルとしては、美しいデザインの中に青いコネクターは似合わない、という発想なのだろう。「対応機器を挿せば速くなる」というイメージでいるならば、これでもいいのだろう。
なお以前からそうであるように、MacBook Airには有線のEthernet端子がない。必要ならば、これまではUSB Ethernetアダプターを接続していたが、今回の新モデルに合わせて、Thunderbolt経由で接続するEthernetアダプターが登場した。そのため、Thunderboltポートを経由して接続することもできる。アダプターの実機テストはしていないためパフォーマンスのほどはわからないが、USBでは転送速度が気になるなら、Thunderbolt用を選ぶべきだ。まあ、MacBook Airでそういうニーズはそうそうないと思うが……。
Ivy Bridgeの効果絶大!
発熱は大幅にダウン
2011年モデルは、CPUがCore 2 DuoからCore iシリーズになり、処理速度の面では大きく進化した製品になっていた(関連記事)。だが、他方で失ったのが「快適さ」だった。具体的には発熱が非常に大きくなっていて、ちょっとしたことで不快に感じるレベルに達するのが難点だった。
2011年モデルはSandyBridgeプラットフォームだったわけだが、どうやらあのレベルでは、快適なものには仕上がらなかったようだ。しかしIvy Bridgeでは、プロセスのシュリンクにともない、省電力化・低発熱化が実現されているとのことなので、2012年モデルは快適になるのでは……と期待していた。
テストしてみると、それは見事に裏付けられた(グラフ参照)。2010年モデルと2011年モデルの数値は昨年テストした際のものだが、今回もエアコンを使って気温状態をおおむね揃え、ボディーからの発熱をチェックしてみた。
顕著だったのは、パームレスト部など「人が触れる場所」の発熱の低下だ。2010年モデルに近い結果になってはいるが、プロセッサーパワーはぐっと増している。高負荷時(赤いグラフ)で比較すると、発熱源の近くはそれなりに熱くなっており、2010年モデルとは違う傾向が見られる。それでもパームレストや本体裏手前などは、それほど発熱していない。アルミボディーは美しいものの、どうも発熱が大きいところが気になっていたのだが、Ivy Bridge世代のモデルでは、だいぶ緩和されていそうだ。
発熱・消費電力の改善ということになると、気になってくるのがバッテリー駆動時間である。今回はYouTubeで480pのビデオクリップを再生しつつ、Twitterクライアント「Echofon」にてストリーム受信をしながら、各種スリープ機能をオフにして、駆動時間をチェックしてみた。CPU負荷としては10%から15%、ネットワーク側にはほぼ常に負荷がかかり続けているというレベルである。
結果は4時間40分ほど動作した。似たテストを行なった2010、2011年モデルに比べると、いくらか伸びているといったところだろうか。バッテリー駆動時間の伸びに大きな期待を抱いて買うほどではないが、落胆することはない程度の改善というのが実状だろうか。
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