初歩から分かるBD活用講座 第10回

ハイクオリティな映像と音声を完璧に楽しむためのポイントを紹介！

BDの動画を楽しむための心得とは？

今まで何ということはなく「Blu-ray Disc™ を再生して動画を楽しもう」などと書いてはいたが、Blu-ray Disc™ の動画を楽しむためには何が必要なのか？　そのあたりの原点に立ち返って解説していこう。

Blu-ray Disc™ を最良の状態で再生するには

　まず、居間などに置いてあるテレビでBD動画再生を楽しむ方法について。BDプレイヤーとテレビをHDMIケーブルで接続すればいい。……とまとめるととても簡単なようだが、この中にもいくつかポイントがある。

薄型テレビの例

　まず、テレビ。最近普通に売られている薄型テレビは「ハイビジョン」テレビとされているのがほとんど。しかし、一口にハイビジョンといってもその幅は広い。一般的には、1280×720ドット以上の解像度があれば「ハイビジョン対応」と呼ばれることになっている。そして現在、「フルハイビジョン」「フルHD」などと呼ばれるのは「1920×1080ドット」の解像度だ。一部の「地デジ対応ハイビジョン」とされているテレビの中には、フルハイビジョンではない製品もある。

　2011年（一部地域では2012年）に完全移行を果たした地上デジタル放送（地デジ）もフルハイビジョン放送と呼ばれるが、解像度1440×1080ドット・インターレース方式で放送されている。こちらは「1080i」と呼ばれる映像形式。

　そしてBDの場合、「1080p」仕様の動画が収録されていることが多い。1080pとは、解像度1920×1080ドットのプログレッシブ方式の映像形式。プログレッシブとインターレースの違いについて詳細は割愛するが、映像の走査線の描き方が異なり、インターレースのほうが同じ映像でもフレームレートが少なくて済むので放送に向いている。

　両者の画質には一長一短あるが、液晶やプラズマを採用している薄型テレビは、基本的にインターレースで受信した映像をプログレッシブに変換していて、動画の場合は若干の画質低下が発生するとされている。また地デジ放送の場合は、映像の横方向も1440ドット→1920ドットへ伸長・補完して表示されている。つまり、現在の薄型テレビで言えば、1080pのほうが良好な動画を視聴できるということとなる。

　もちろん、BDにも地デジと同等の1080i形式の動画が収録されていることもあるが、よりクオリティの高い1080p画質を求める映像マニアも少なくなく、特にアニメ作品などは1080pで収録されていることが多い。

　そのため、BDプレイヤーを接続するテレビも、解像度がフルハイビジョンで1080pに対応していれば、BDを楽しむのに最適といえる。もっとも最近のフルハイビジョンを謳っているテレビのほとんどは1080pに対応しているので、つまりはBDを楽しむのにはまず「フルハイビジョン」「フルHD」テレビを選択すべしということとなる。

　そこで確認したいのがHDMIケーブルだ。接続に使われるHDMIケーブルには、現在2種類の規格がある。「スタンダードHDMIケーブル」「ハイスピードHDMIケーブル」の2種類だ。スタンダードHDMIケーブルが対応する解像度は最高1080i。BDレコーダーで地デジをTSまたはDRモードでそのまま録画した場合には十分な画質で再生できることとなる。DVDレコーダーの時代はこのスタンダードケーブルで十分だった。

HDMIケーブル

　しかし、前述のとおりBlu-ray Disc™ では1080pの動画が再生される。1080pをサポートするのは、ハイスピードHDMIケーブルなのだ。また、3D映像を表示可能にするのもハイスピードケーブルである。……といっても、スタンダードケーブルも、正式にサポートはしていないが一応1080pの映像や3D動画の再生は可能であるということ。ただ、ケーブル長が長い場合には伝送エラーが発せすることもあるとのこと。DVD対応からBD対応レコーダーに買い替えたのはいいが、HDMIケーブルを交換していなかったりするとそういう憂き目に遭わないとも言えない。HDMIケーブルを必ずチェックしておこう。