このページの本文へ

安くて管理機能も手抜きなしのeシリーズ登場!

ウィークポイントの価格帯で勝つ!HPの自働サーバーの第2弾

2012年06月27日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

6月26日、日本ヒューレット・パッカードは第8世代HP ProLiant(以下、HP ProLiant Gen8)の第2弾にあたる新サーバーを投入した。Gen8の大きなテーマである運用管理の効率化という特徴をエントリサーバーまで拡げ、競合に後塵を拝するセグメントを開拓する。

Gen8で「ゲームチェンジ」は実現したのか?

 3月末に発表されたHP ProLiant Gen8は、遠隔保守などを実現する管理チップ「iLO Management Engine」の強化に加え、インフラ管理用のクラウド「HP Insight Online」、その他サービスとの組み合わせにより、運用管理の効率化を徹底的に進めているのが大きな特徴といえる。単なるハードウェア提供やスペック勝負から、効率的なサーバー運用環境の提供に「ゲームチェンジ」したわけだ。今回、発表されたのは、管理や可用性、3年保証などの特徴を織り込みつつコストパフォーマンスにも注力された「eシリーズ」4機種と、Opteronを搭載した2機種のサーバーになる。

eシリーズの4機種とOpteron搭載サーバー2機種の計6機種発表

 発表会の冒頭、サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長 橘一徳氏はHP ProLiant Gen8を発表して以降、各地でセミナーなどを主催し、非常に好評を得ているとアピールした。特にインフラ管理クラウドの「HP Ingsight Online」、ログなどを自動送信する「HP通報サービス」(7月正式サービスイン)などはエンドユーザー、販売パートナーからポジティブな反応を得られており、発売後のオーダーも前モデル比較で4.6倍に跳ね上がったという。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長 橘一徳氏

 こうした好調なスタートを切ったHP ProLiant Gen8だが、直近1年間の台数シェアを見ると、サーバー単価8~24万円の市場で4位に甘んじており、市場シェアNo.1獲得までの課題となっているという。これに対して、橘氏は管理チップのiLOのカバー範囲を拡大し、今まで価格とトレードオフになっていた管理性や可用性を充実させると説明した。加えて、今回の新ラインナップの追加で、ボリュームゾーンを強化していくとした。

管理機能も充実!なのにお得なプライシングのeシリーズ

 続いてサーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 製品企画部 岡野家和氏が、新製品の詳細と背景について解説した。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 製品企画部 岡野家和氏

 岡野氏は、(橘氏が言及した)サーバー単価8~24万円の市場では、全国拠点の店舗サーバーや社内のグループウェア、低負荷なサーバーなどが挙げられると説明。専任管理者が不在で、導入や保守に手間をかけられないこうした用途でこそ、HP ProLiant Gen8の管理機能が活きると指摘。「HP ProLiant Gen8のInsight Onlineや通報サービスは、まさに管理のニーズをすべて網羅している」(岡野氏)と、クラウドでの一括管理やセットアップ負荷の低減、ログ収集などが有効性を説いた。また、iLOへのアクセスがスマートフォンからも可能であると説明。兼任管理者でも、容易に操作できるとした。

グループウェアや低負荷の用途だが、止められない。管理は重要というニーズが存在すると説明

 そして、今回発表された「eシリーズ」は「essencial」の意味で、従来の「pシリーズ」に比べて低価格な新ラインナップ。従来は、付加価値や冗長性を省くことで、低価格化を進めてきたが、eシリーズでは冗長化電源やファンの対応、iLOやInsight OnlineなどのGen8での管理機能、3年間の出張修理まで標準搭載。既存のpシリーズと同等の信頼性や可用性、管理性を実現しつつ、約30%のプライスダウンを実現した。実際、マザーボードやディスクコントローラー以外は、pシリーズと比べ、ハードウェア面での大きな違いはないという。

 今回投入されたのは、ボリュームゾーンであるタワー型の「ML350e Gen8」、1Uラックマウント型の「DL360e Gen8」、2Uラックマウント型の「DL380e Gen8」、ブレード型の「BL420c Gen8」など4機種。いずれもインテル Xeonプロセッサー E5-2400シリーズを搭載し、標準メモリは12スロットとなる。

ブレードの「BL420e Gen8」とスタンダードサーバーの「DL360e Gen8」

 また、新たにOpteron搭載の「DL385p Gen8」と「BL465c Gen8」も発表された。16コアのAMD Opteron 6200シリーズを最大2基搭載可能で、仮想化プラットフォームとして最適なサーバーとして勧めていくという。

カテゴリートップへ