PCとの接続にもバッチリ対応
色乗り豊かでメリハリの効いたエイサー「H9500BD」
続いて紹介するのは、日本エイサーの「H9500BD」(実売価格20万円前後)。本機は撮像素子にDMD(Digital Micromirror Device)素子を使った単板式のDLPプロジェクターだ。DMD素子は、画素ごとに角度が変化する超小型ミラーが配置されたもので、ランプからの光を光学系に反射させる/反射させないことで明暗を再現する。
単板式の場合はカラーホイールを回転させ、RGBのそれぞれの色を作りだしている。最大のポイントは、高コントラストな表示ができることで、最大輝度2000ルーメンで5万:1のコントラスト比を実現している。
設置については、プロジェクターを固定したまま投影位置を上下左右に調整できるレンズシフト機能があるので、スクリーン正面に設置できない場合でも融通が利く。台形補正などの調整も可能だ。設置に関しては最新のプロジェクターとしては標準的で、使い勝手に不満はない。放熱口は側面部分にあるので、その部分は塞がないような場所に置くようにする。
本機の映像を見てみると、まず気になったのは、HDMI入力ではドット・バイ・ドット表示ができず、やや画面の周辺が欠けてしまうこと。HDMIはBDレコなどの家庭用機器を想定しているようで、PCで使用する場合はDVI入力を使えばドット・バイ・ドット表示となる。
画質としては、解像感は十分でコントラスト感の高い映像だ。どちらかというと、ソースの映像をダイレクトに表示する素直な特性だが、全体に映像の明るさがやや不足気味に感じられた。
ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコルを見ると、砂漠の黄色い砂が鮮やかで、色乗りはやや濃いめのメリハリの効いた映像となる。DLPプロジェクターらしいキレ味やコントラスト感の高さはあるのだが、ディテールはわずかに不足しており、遠景の見晴らしや高層ビルの高さ感がやや薄まってしまうように感じた。
3Dゲーム(コール・オブ・デューティ ブラック・オプス)でも、明るさの不足が見づらさにつながってしまい、プレイには少々苦労した。解像感の不足はあまり気にならず、画面表示の文字などは十分に読みやすかったので、DVI入力の方が高精細な表示になるようだ。このあたりは部屋を可能な限り真っ暗にするか、画質調整で明るさを上げてやるようにするといいだろう。
パソコンやパソコン用周辺機器を備えるメーカーだけに、DVI入力を備えるなど、パソコンとの親和性が高いモデルといえる。DVI入力の方が映像もより鮮明だったので、パソコンでテレビ視聴やBD再生を行なっている人ならば、使いやすいだろう。
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