マイクロソフトは20日(現地時間)、米国サンフランシスコで開催したイベントにて、次期携帯電話向けOS「Windows Phone 8」を発表した。OSのコア部分をWindows 8と共通にするなど、大幅な変更が加えられている。搭載端末の登場時期は、2012年後半の予定。
コア部分の共通化により、Windows Phone 8は携帯電話機を主なターゲットとするOSとしては、強力なハードウェアサポートを備える。ネットワーク、セキュリティー、メディア再生、ウェブブラウザー、ファイルシステムなどは、Windows 8と共通化されるとしている。また、50ヵ国語以上の言語に対応する。
Windows Phone 8のスタート画面は、Windows 8のそれを携帯電話サイズにしたようなデザインとなっている。アプリや機能へのショートカットであるライブタイルは、3種類のサイズを備えてユーザーが変更できる。色もまた変更できる。
主な改良点は以下の通り。
- マルチコアプロセッサーのサポート強化
- 理論上は最大64コアまでのプロセッサーをサポート。
- 画面の高解像度化
- 1280×768と1280×720の画面解像度に対応。
- microSDカード対応
- 取り外し可能なmicroSDカードに対応。
- NFCの無線共有
- NFC機能を搭載した端末同士であれば、写真や文書を簡単に共有できる。
- Internet Explorer 10
- Windows 8と同じブラウザーエンジンを使うInternet Explorer 10を搭載。危険なサイトやマルウェアをブロックする「SmartScreenフィルター」も備える。
- デジタルウォレット
- キャリアが提供するセキュアなSIMと組み合わせた場合、対応する支払い・飛行機の搭乗カウンターでの支払いや搭乗に使える。デビットカードやクレジットカード、各種クーポンや搭乗券などに対応。
- 地図とナビ機能の改良
- より詳細な地図とルート案内を多くの国で提供。地図データは端末上に保存でき、オフラインでも使用できる。
- より洗練されたアプリとゲーム
- Windows 8とコアを共通化したことにより、アプリとゲームに新しい波をもたらす。
企業内導入も視野に入れたWindows Phone 8
Windows Phone 8は企業内導入も重視しているようだ。ビジネスユーザー向けの改良点は以下の通り。
- デバイスの暗号化
- OSとデータファイルを含むデバイス全体を暗号化可能。
- セキュリティー
- UEFIへの対応、アプリが動作する「サンドボックス」の改良などにより、マルウェアからの保護を改善。
- リモート管理
- Windows PC向けと同様のツールを使って、端末やアプリのリモート管理が可能。
- 企業独自のハブやアプリ
- 従業員向けにカスタム化されたアプリなどを導入できる。