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情シス高橋、 NECサーバー+Hyper-Vに行き着く 第2回

ベンチマークでわかった仮想化の高い集約効果

性能や省エネは?NECサーバー+Hyper-Vの実力に迫る

2012年06月28日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp イラスト●野崎昌子 
記事協力●NEC

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Hyper-Vの仮想化によって、既存の社内サーバーをNECのラックマウント型サーバー2台に集約すべく、古巣のSIerに検証を委託した情シス高橋。サーバーの集約でアプリケーションの性能は落ちないのか、省エネは可能なのか? さっそく見てみよう。

*本記事の内容はあくまでフィクションで、登場人物や会社名などは実際のものではありません。

Express5800とWindows Serverって相性抜群!

 出版社AMWの「社内サーバー統合&リプレースプロジェクト」は、山場を迎えつつあった。情報システムや各部のサーバー担当者の悲願ともいえるサーバー統合を実現させるためには、6台のサーバーを仮想化したことで、性能面での影響が出ないことを証明しなければならない。仮想化したことで、遅くなる、使い勝手が悪くなるというのは、業務に差し支える。もう1つは、サーバーの統合が省エネに大きく貢献することを数字で証明することだ。昨年の計画停電や省エネ目標の導入で、経営陣は省エネを非常に気にするようになっているからだ。これらの検証を古巣のSIerの元上司だった本山課長に依頼し、先日実証実験の様子を見てきた。

本山課長とSE鈴木がHyper-Vによる仮想化を検証してみた

本山課長:高橋くん、暑いところ、よく来たね。今日はよろしく。検証ルームにデモ機材がやってきたので、さっそく構築してみたよ。実はうちもオフィスサーバーの統合化プロジェクトが終わったばかりで、ちょうど3~5年前のサーバーが検証用で使えるようになったんだ。いやー。仮想化すると、サーバーが余るって本当だねえ。

情シス高橋:確かにちょっと古めのサーバーが集まってますね。ラックマウント型から、タワー型まで、なんだか「ふぞろいなサーバーたち」って感じですねえ。そもそも御社はなぜずーっとNECのサーバーなんですか?

本山:よく聞いてくれたね~。NECのExpress5800とは90年代後半にうちがオフコン系部隊とオープン系部隊で分かれたときから、もう15年以上のつきあいだよ。初めて使ったのが、NECのPentiumPro搭載のサーバー。こんなデスクトップPCみたいな筐体で大丈夫かって正直思ったね。思い起こせば当時はWindows NTもまだ4.0が出たてで……。

情シス高橋:(スイッチ押しちゃったな……)本山課長!すいません!時間がないので、もう少しかいつまんで最近のNECサーバーの特徴を教えてほしいのですが。

本山課長:そりゃあ、こだわりでしょう。信頼性や性能はもちろんなんだけど、メンテナンス性とか、静音性とか、高密度化とか、国内でこだわって製品作ってるからね。一度、工場見学に行ったけど、部品や製品レベルで厳しい検査をやっていて、品質面でこだわってるなあという感じがしたよ。あと、Express5800専用の管理チップというのがけっこうすごくて、うちはお客さんのサーバーのマネージドサービスで使いまくりなんだ。お客様の事務所に直接足を運ばなくても、遠隔からサーバーの動作を監視したり、再起動することが可能になるからね。障害復旧も早くなったし、お客様も「こういう保守サービスだったら、コストをかけてもいい」と喜んでもらっているよ。

情シス高橋:なるほど。最近のサーバーは電力消費の削減についてもけっこう配慮されてますよね。

本山課長:高橋君、いいところつっこむね! NECのサーバーは、省エネへの力の入れ方が半端じゃない。低消費電力の部品を積極的に採用したり、効率的な冷却設計のためにマザーボードの部品配置を換えたり。水冷サーバーまで作っているし、最新機種では動作温度40℃を保証しているんだ。

情シス高橋:それってすごいことなんですか?

本山課長:通常、サーバーの動作温度は35℃保証なんだ。40℃で動作可能ということは、冷却にかける電力を下げることが可能というわけ。データセンターの場合、冷却効率で空調機の種類まで変わってくるからね。今回は利用する電力に上限を設ける「パワーキャッピング」の機能を活用しているから、あとで検証結果を見てもらおう。

情シス高橋:課長、NECサーバーについて妙に詳しいですね。

本山課長:実は先週、息子と秋葉原の「クラサバ市場」に行って聞いた説明をしているだけなんだ(笑)。デモも見せてもらったよ。

情シス高橋:課長~。クラサバ市場に「行った」じゃなくて、「寄った」の間違いなんじゃないですか?

本山課長:(ギク!)。いやあ、確かに息子の買い物にもつきあったがな……。それはそうと、仮想化はHyper-Vでいくぞ。

情シス高橋:やけに力入ってるみたいですが、仮想化でHyper-Vを使うのはなんか理由があるんですか?VMwareとか、最近はけっこう安いパッケージ出してますけど。

本山課長:今回、ファイルサーバーも、業務サーバーもWindowsで動いていて、引き続きWindows OSを使っていくのであれば、OS標準の仮想化機能であるHyper-Vを使うのはやっぱり普通だと思うよ。なんと言っても、使い勝手が変わらないというのが最大のメリットだよ。標準でライブマイグレーションやHA構成もサポートしているし、将来的にはストレージとの組み合わせるもできるしね。

情シス高橋:なるほど。確かに最近は中小企業でHyper-Vで仮想化しているところ多いと言いますよね。

本山課長:あと、NECサーバーは昔からWindows Serverのサポートがきちんとしていて、リリース前からがっちり検証しているんだ。Windows OSに関するお客様の問い合わせも、NECのサポートであれば、9割はマイクロソフトに依頼せず、NEC側で解決できるという話だ。うちの実績もけっこうあるし、仮想化で気になるサイジングとか、性能が読みやすいというのも大きいね。

 ということで、本山氏にとって「NECサーバー+Hyper-V」というのは実績のある仮想化の勝ちパターンになっているようだ。

(次ページ、旧サーバーと比べた処理能力やパフォーマンスは?)


 

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