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EMC World 2012の新製品お披露会が開催

日本でも需要あり!ハイパースケールな「VMAX40K」が上陸

2012年06月11日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月8日、EMCジャパンは5月に米国で行なわれた「EMC World 2012」の新製品を総括する発表会を開催。また、新製品の目玉となるハイエンドストレージ「Symmetrix VMAX」(以下、VMAX)の新ラインナップや日本での展開についても説明した。

パブリック?プライベート?ハイブリッドクラウドです

 既報の通り、5月21日~24日に米国で開催されたEMC World 2012においては42にのぼる新製品が発表された。発表会では、EMCジャパン代表取締役社長の山野修氏がイベントの講演内容や新製品の概要について、説明を行なった。

EMCジャパン代表取締役社長 山野修氏

 山野氏は、近年同社が進めているハイブリッドクラウド戦略について言及。調査会社の資料を基に、プライベート、パブリックのいずれのクラウドも今後活用されていくと見込みを示した。これに対して「プライベートクラウドにおいてはVNXや(今回発表される)VMAXのような仮想化対応のストレージを、パブリッククラウドに関してはよりハイエンドな大容量の製品を展開していく」と説明し、両者とうまく使い分けるハイブリッドクラウドを推進していくという。また、米EMC CEOであるジョー・トゥッチ氏の基調講演の内容を引き合いに、インフラの設計がアプリケーションからデータ中心に移りつつある状況を説明した。

 こうした背景を元に、今回のEMC World 2012ではハイエンドストレージ「VMAX40K/20K/10K」をはじめ、仮想化ストレージ「VPLEX」、ユニファイドストレージ「VNX3150」、スケールアウト型ストレージの「Ision X400/NL400」「OneFS Mavericks」、Data Domain、Avamarなどのバックアップ系製品などを発表した。発表会では各製品の概要と日本での販売開始スケジュールも明らかにされ、特にVMAX40K/20K/10KとVPLEXは、同日販売が開始された。

新製品の日本での販売開始スケジュール

容量も性能も従来比2倍のフラグシップ機

 今回発表された新しいVMAXファミリは、2009年から同社が展開しているエンタープライズ向けのSANストレージになる。マルチコアCPUや大容量メモリをベースにしたVMAXエンジンをメッシュ状に接続することで、高い拡張性やパフォーマンス、可用性などを実現する「Virtual Matrix」のアーキテクチャー自体はそのまま継承しつつ、ラインナップを拡充。ソフトウェアも大幅な強化を図った。製品詳細に関しては、EMCジャパン テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 統括部長 永長純氏が説明した。

EMCジャパン テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 統括部長 永長純氏

 今回追加されたのは、最上位モデルのVMAX40Kで、名前の通り最大4PBまでの容量を誇る。容量だけではなく、性能も従来製品の2倍を誇るまさにフラグシップ機となる。山野氏は「こんなに大容量のモデルが日本で売れるのか?と言われることもありますが、実際大手の金融機関様などから引き合いも来ている」と説明した。なお、VMAXeと呼ばれていた1PBモデルは「VMAX10K」、そして従来VMAXと呼ばれていた2PBモデルは「VMAX20K」と改称され、今後VMAXは容量と性能に合わせた3モデルで展開されることになる。

容量と性能に合わせた新しいVMAXのラインナップ

 2.5インチドライブの構成が可能になり、最大3200ドライブを8つのストレージベイに載せることで、3.5インチドライブの最大構成より、設置面積や消費電力、総重量なども大きく減らせる。低価格化が進み、耐久性が向上したエンタープライズMLCのSSDも新たに提供される。さらに、ストレージベイとシステムベイを分散配置することで、設置スペースを効率化することが可能になった。

 VMAXのソフトウェアである「Enginuity」も強化された。新たにFederated Tiered Storage(FTS)がサポートされ、VMAX傘下に異機種混在のストレージを統合し、FAST VPなどの階層化管理を利用できるようになった。

VMAXのソフトウェアであるEngunuityの新機能

 また、System zやIBM i、富士通メインフレームに対するサポートも強化されたほか、災害対策向けのレプリケーション機能も拡充された。さらに従来VNXに提供されてきたGUIの管理ソフトウェア「Unisphere」がVMAXにも提供されるようになり、より容易なオペレーションが可能になるという。

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