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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第21回

セパンでミクとMiraiのZ4が揃ってスーパーラップに!

2012年06月10日 15時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 写真●加藤智充

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灼熱もスコールもないセパンで待ち受けていたものは?

 灼熱のセパン。と毎年言われているが、今年は灼熱でもなんでもなく、気温は30度を超えているものの曇っているせいかそれほど暑さを感じない気候だ。さらに、レースウィークはすべて雨という予報がが出ていたが、雨はパラパラと一時的に降った程度で、路面を濡らすまでには至らなかった。

 このように、去年までと比べると少々肩すかし気味なセパンではあるが、日本との気候の違いもあり、難しいレースになりそうだ。練習走行ではほとんどのチームがタイヤが合わずに苦戦していたようで、全体的にタイムが伸びていなかった。ミクZ4とMirai Z4も同様だったが、大橋監督曰く「ミクZ4はウェイトが60kg以上載っているので、タイヤよりもそっちが厳しいですね。タイヤに関してはMirai Z4のほうが合ってるかも」とのこと。結局、練習走行ではミクZ4が8位、Mirai Z4が15位という結果だった。初セパンをドライブした岩手のスターこと佐々木選手は、タイヤを替えずに番場選手から1秒落ちくらいのタイムで走っていたので、まずまずの結果だ。セパンサーキットの感想を佐々木選手に聞くと「難しいけど、走ってて楽しいサーキットですね」と好感触だったようだ。

 さて、このセパンでの予選はスーパーラップ方式。第一予選(Q1)でタイムアタックをし、上位10台までがBGMをかけながら走る権利を得る。このときのタイムがそのまま決勝グリッドにも影響するのと、Q1を走ったドライバーはスーパーラップには出られないので、チームの戦略も重要になってくる。

 Q1を担当したのは、ミクZ4が片岡選手、Mirai Z4が番場選手。どちらのZ4も決して遅くはないのだが、周りが圧倒的に速くなってきており、なかなかタイムが出ない。片岡選手が「2'07.019」、番場選手が「2'07.174」を刻んで、9位と10位という、かなりギリギリの結果で2台ともスーパーラップ進出という快挙を成し遂げた! とくにMirai Z4はこれまでの流れが非常に悪かっただけに、Q1クリアの結果でこの負の連鎖を断ち切れたのかもしれない。

 2010年、ミクポルシェ時代に夢だった番場&佐々木選手によるスーパーラップ進出。それが今、「ゆめゆめ」(Project Miraiテーマ曲)をBGMに、アタックすることになったのである。これはチームにも個スポにとっても、胸が熱くなる!

 なお、GT500のアタック時に、#6 ENEOS SUSTINA SC430がエンジンブローして一部のコース上にオイルが漏れてしまったため、赤旗中断となる場面もあった。スーパーラップは下の順位からスタートするため、1番手が佐々木選手、2番手が谷口選手なので、オイルの状況が心配された。

 GTアジアシリーズの決勝を挟んで迎えたスーパーラップ。佐々木選手は慣れないセパンとアタッカーであること、そして一番に走るというプレッシャーからか、かなり緊張していたようである。1番手はコースインの様子からアタックまで、すべてがテレビカメラに映る(2番目以降はアタック時のみ)。サーキットだけでなく、テレビやネットを通してアウトラップもタイムアタックも映されるのだから、初めてのセパンである佐々木選手が緊張するのも無理はない。結果、どうも調子が上がらなかったようで「2'08.044」というタイムで終えた。

 2番目の谷口選手&ミクZ4はウェイトハンデが厳しいものの、セパンマイスターの意地で「2'06.833」を叩きだした。それでも他のライバルたちのペースは速く、2分5秒台が連発。とくに#33 ハンコックポルシェはGT300で唯一の4秒台「2'04.262」を記録して、堂々のポールポジションを獲得した。去年はミクZ4がぶっちぎりのポールだっただけに、なんとも寂しくはあるが、それだけライバルのパフォーマンスが上がっているということだ。

 痛車勢ではミクとMirai Z4以外に#2 エヴァ紫電がスーパーラップに残ったが、タイムが上がらずに「2'08.080」で、佐々木選手のすぐ下の10位だった。ミクZ4が7位、Mirai Z4が9位なので、グリッド上ではZ4 2台が前後に並ぶことになる。

 なお、去年はミクZ4とともにセパンで表彰台に上がった#27 イカ娘フェラーリは13位で、スーパーラップ進出ならずという残念な結果に終わっている。

 しかし、予選が良くても決勝で何が起きるかわからないのが、SUPER GT。予選後の生放送では、ミクZ4が3位、Mirai Z4が5位という目標が出されていたが、最後までミスなく生き残れればこの順位は現実となるかもしれない。晴れていても突然のスコールに見舞われることもあるセパン。タイヤにもドライバーにも厳しいこのマレーシアで、去年に引き続き痛車の表彰台を見せてくれると期待したい。

 もちろん、現地やパブリックビューイングなどでの、ファンの声援も大きく影響するので、みんなも全力で応援しよう!


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