今回試用するのは、マウスコンピューターのUltrabook「LuvBook X」だ。Ultrabookはワールドワイドモデルが多く、サイズ的にも13型クラスのものが多いが、LuvBook Xはよりコンパクトな11型クラス。ルックスもなかなか個性的なものになっている。
Ultrabookの中でもより日本市場に特化した「コンパクトさ」に注力したこの製品の実力をチェックしてみよう。なお、今回試用したのは試作機であり、製品版(発売時期は未発表)とは多少異なる可能性があることをご了承いただきたい。
見た目は「MacBook Airインスパイア」
だが細かな作り込みで軽量に
LuvBook Xは、すでに述べたように11.6型サイズのノートパソコンだ。ボディーの形状としては、昨今の薄型Ultrabook、別の言い方をすればMacBook Airインスパイア風のありがちなものである。だが、ルックスはそうそうありきたりのものではない。カーボンを多用した、非常に高級感のあるものになっているからだ。天板の仕上げは非常に丁寧で、好感が持てる。ちょっとポップな同社のロゴとは、多少イメージが合わない気もするが、このあたりは個人の好みでもある。
カーボンの採用は、なにもルックスのためだけではない。ボディーをできる限り軽くするためのものでもある。「Ultrabookは薄型軽量」とはいうものの、一時の日本のモバイルノートのように「とにかく軽く小さく」というところを狙ってくる製品は少ない。13インチ級を中心とした、「実用的な範囲での軽さ・小ささ」といったところを目指すものが多い。それは、ワールドワイドでは軽さに対してそこまでのニーズがないことと、100gの軽さを競うよりも価格が重視される、という昨今の市況の影響がある。
他方でLuvBook Xは、薄さ・小ささとともに、軽さにもこだわった製品となっている。重さは985gと、1kgをわずかではあるが切っている。デザイン的にはMacBook Airの11インチモデルに似ているが、重量では100g程度軽い。実はフットプリントも、ほんのわずかであるがLuvBook Xの方が小さい。
LuvBook Xはあきらかに、MacBook Air 11インチモデルを指針に開発されている。デザインはもちろんだが、キーレイアウトやタッチパッドの配置にしても、他のUltrabook以上にその影響が色濃く見える。ACアダプターも、他のノートパソコンにありがちな細長い形状ではなく、アップルのものに似た、正方形に近い形だ。電源スイッチが側面でなく、キーボードの端にあるところまで似ている。
このキー配置はちょっと押し間違いが気になるところだが、実際には、電源は長押ししないと働かない仕組みになっていて、トラブルは起きない。本体を閉じたまま使いたい人には酷なデザインだが、このサイズの製品なら、そういう使い方をする人もまれか、とも思う。
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