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用途を選ばず、長~く使えるマシンをIvy Bridgeで組む!

2012年06月02日 12時00分更新

文● 藤田 忠

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基本構成で組み立て、軽く性能をチェック

 ビデオカードは、まだ選んでいないが、OSをインストールすれば動作するIvy Bridgeオススメ構成の基本PCパーツのチョイスは完了だ。ひとまず、この基本構成で組み立て、CPU高負荷時の消費電力やCPU内蔵GPUによる3D性能といった点を見てみることにした。

ASCII.jpオススメ構成(おさらい)
CPU Intel「Core i7-3770K」(3.5GHz)
CPU Corsair「CWCH100」
マザーボード MSI「Z77A-GD65」(Z77)
メモリー Corsair「CMZ8GX3M2A1600C9」(4GB×2)
SSD Corsair「CSSD-P128GBP-BK」(128GB)
HDD Seagate「ST2000DM001」(2TB)
光学ドライブ LITEON(PLDS)「iHBS312-27」
電源 Corsair「CMPSU-750AXJP 」(750W)
PCケース Corsair「Carbide 300R」(CC-9011014-WW)

エンコード時109WのASCII.jpオススメ構成

 ペガシスの「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を使用した動画エンコード時のPC全体の消費電力と、CPU内蔵GPUで実ゲームがどのくらい動作するのか見てみよう。
 まずは消費電力だが、CPU負荷が100%になる動画エンコード時でも、PC全体の消費電力は“94W”になった。HDDとSSDの両方を搭載し、高速なDDR3-1600動作のメモリーも使っていて、100Wを切るとは、なかなか優秀といえる。

ベンチ結果
動画エンコード時のPC全体の消費電力 94W
エンコード時のCPU温度 61℃

 使用しているマザーボードや電源ユニットなどの構成や計測条件が違うので、横並びの比較はできないが、「22nmプロセスのIvy BridgeはSandy Bridgeと何が違うのか?」で計測した「Core i7-3770K」のCPU高負荷時が“113W”なので、ASCII.jpオススメ構成に選んだ変換効率の高い80PLUS GOLD認証電源や省電力性能に定評のあるMSI製マザーボード「Z77A-GD65」も影響していると考えられる。
 なお、エンコード時のCPU温度は、さすが水冷といえる結果で、CPU付属のCPUクーラーが72度だったのに対して、61度と11度も低くなっている。

オーバークロック設定では?

 また、240mmラジエーターを採用する「CWCH100」の実力はオーバークロック時こそ最大限に発揮される。そんなわけで、CPUの倍率を45倍、コア電圧は1.160Vに設定して起動に挑戦してみると、すんなり4.5GHzでWindowsが起動。
 ストレステストの「OCCT4.2.0」を30分程度実行したが、CPU温度は67~72度までしか上がらなかった。その後も何度か動画エンコードを行なったが、問題なく動作した。

倍率を45倍に設定して、「Core i7-3770K」の定格クロックから1GHzアップさせた4.5GHzで動作できた

 CPUのオーバークロックは、CPUの寿命を縮めたり、PCに深刻なダメージを与えたりすることもあるが、コストをかけずにCPUの処理能力を大幅アップできる。さすがに常用はダメージが大きいので、複数のBIOS設定を保存できる「Z77A-GD65」の機能を活用して、必要な時だけオーバークロックするなど使い分けよう。

CPUなどに負荷をかける「OCCT 4.2.0」を4.5GHz動作状態で実行。30分程度の動作だが、CPU温度は最大でも72度だった

ベンチマークテストでゲームの快適さをチェック

 次に、ちょっと古めのゲームだが、CPU内蔵GPUでも動作しそうな「モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク 大討伐」や「BIOHAZARD 5」で、GPU性能を試してみたが、どうにか遊べるスコアーやfpsになったのは解像度を1280×720ドットまで落とした場合のみと悲しい結果になってしまった。

ベンチ結果(解像度1280×720ドット)
Monster Hunter Frontier Online 27954(Score)
BIOHAZARD 5 39.3(fps)

 やはり、ゲームをフルHDの大画面、高描画で快適に遊ぶにはビデオカードが必須と痛感。ちょっと古いゲームも、最新の3Dゲームも快適に動作する構成を目指して、グラフィックボードのチョイスに入ることにしよう。

ビデオカードは売れ筋の2製品から選択!
海外最新3Dゲームを遊ぶなら定番のNVIDIAでキマリ

 AMD、NVIDIAから最新GPUが登場しているが、海外系の最新3Dゲームをプレイするなら、ゲームの推奨GPUにかならず名前が出ており、描画の崩れなどもなくゲームが安定動作するNVIDIAがベストだ。
 将来登場するヘビー級ゲームをプレイするなら、シングルGPU最強クラスのNVIDIA「GeForce GTX 680」を搭載するビデオカードでキマリ。5万5000円~6万5000円の価格に見合った3D性能を発揮し、消費電力や発熱は前モデルの「GeForce GTX 580」より低下していると、非常に魅力的なGPUになっている。

 ただ、さすがに高額なので、今回はGTX 680の下位モデルだが、GTX 680に迫る3D性能を発揮する「GeForce GTX670」を選んだ。メーカーリファレンス準拠や独自GPUクーラーを搭載するオーバークロックモデルなど、種類な製品群のなかでもイチオシなのが、GALAXY Technologyの「GF PGTX670-OC/2GD5 DUAL FAN」だ。
 なお、GTX 670の詳細GPUスペックやGTX 680との比較は、「準ハイエンド「GeForce GTX 670」が登場、680との違いを探る」を参照してほしい。

GALAXY Technology「GF PGTX670-OC/2GD5 DUAL FAN」
実売価格:4万8000円前後
URL:http://www.links.co.jp/item_cat/graphics-nvidia/

「GeForce GTX 670」を搭載。デュアルファンクーラーを搭載し、コア/メモリーともにオーバークロックされている

 メーカー独自の基板や2基の90mmファンと4本のヒートパイプを備える独自GPUクーラーを採用。コアとメモリークロックはオーバークロック済みで、コアはリファレンスデザイン準拠の915MHzから91MHzアップした1006MHzで動作し、メモリーは78MHzアップの1058MHz動作に設定されている。コア/メモリーともに、GTX 680のリファレンスクロックと同じになっているのがグッドだ。

リファレンスのPCI Express補助電源は6ピン×2だが、GF PGTX670-OC/2GD5 DUAL FANは8+6ピンで構成されている

 また、自動的にGPUコアをオーバークロックする「NVIDIA GPU Boost」に対応しており、「BattleField 3」をフルHDの最高描画設定でプレイした際は、コアクロックは1175MHz程度まで上がっていた。ただ、消費電力は高く、ゲームプレイ時は227Wになっていた。

たま~にゲームを遊ぶという人はAMD

 BattleField 3などの話題のゲームは遊びたいが、フルHDや最高の描画設定に、こだわらないライトなゲーマーやコストを抑えたい、消費電力を気になるという人にオススメしたいのが、AMDの「Radeon HD 7000」シリーズに属する「Radeon HD 7850」だ。
 ハイミドルレンジ帯に位置するGPUで、TDPは「GeForce GTX 670」から40Wダウンする130Wになっている。そこそこのパフォーマンスで、消費電力や発熱を抑えたいという人に、魅力的な仕様だ。

XFX「FX-785A-CNFC」
実売価格:2万6000円前後
URL:http://www.links.co.jp/item/fx-785a-cnfc/

「Radeon HD 7850」を搭載。最適なエアフローを実現する独自の「Ghost Thermal Technology」を採用するオリジナルGPUクーラーを搭載する

 選んだのはXFXの「FX-785A-CNFC」で、4本の銅製ヒートパイプを採用する独自GPUクーラーの「QUAD HEATPIPES」やファンの回転数をビデオカードの温度にあわせて、直線的に調節することで高い静音性と省電力を実現する「Fan Ramping」といった、こだわりの冷却技術と機能を満載している。
 また、約5万時間の長寿命を誇る固体コンデンサーやノイズを抑え、省電力化も実現するフェライトコアチョークなど、高品質なコンポーネントを採用しているのも魅力だ。

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