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サービス開始は8月の予定

“持たないプライベートクラウド”を実現!IIJ GIO VWシリーズ

2012年05月25日 06時00分更新

文● 渡邊利和

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 5月23日、インターネットイニシアティブ(IIJ)は新サービス「IIJ GIO VWシリーズ」を発表した。IIJが提供するクラウドサービスだが、ユーザーはプライベートクラウドと同様の自由度の高さが提供されるのが特徴という。サービス開始は8月の予定となる。

「IIJ GIO VWシリーズ」を解説するインターネットイニシアティブ 専務執行役員 クラウド事業統括の時田 一広氏

持たないプライベートクラウド

 概要説明を行なったのは、同社の専務執行役員 クラウド事業統括の時田 一広氏。同氏は、IIJ GIO VWシリーズを端的に「持たないプライベートクラウド」と表現する。プライベートクラウドを「自社保有のITリソースを使い、自社内にクラウド環境を構築すること」と定義するのであれば、この表現は矛盾する。だが、ユーザー視点から見た場合のサービスの特徴を簡潔に表現しているともいえる。

 IIJ GIO VWシリーズでは、VMware vSphere環境が構築された物理サーバーが提供され、運用管理サーバーであるVMware vCenterも用意される。こうした環境を利用し、自社内で仮想化インフラを運用するのと同様の自由度を持って、IIJが提供するクラウド環境上のコンピューティング・リソースを活用できることになる。

IIJ GIO VWシリーズの特徴

 こうしたサービスを提供する背景として時田氏は、まず、従来提供していた仮想サーバー/物理サーバーの構成などが、すべてのユーザーの需要を100%満たすものではないことを明らかにした。その上で、どのようなリソース構成のサーバーでもユーザーが自由に設計できるようになる点がVWシリーズの大きなメリットとした。

 メニューとして提供されるのは、ベースサーバー(12Coreプロセッサ、96GBメモリ、FCポートの有無を選択可)にデータストアとネットワークを組み合わせたもの。データストアは、プロトコル(NFS、iSCSI、FC)、ディスク性能(標準、高速、超高速)、ディスク容量(数十GB~数十TB)の組み合わせ。ネットワークは、グローバルIPアドレス/プライベートIPアドレスいずれかのVLANを選択できる。管理機能としてvCenterが使えるので、企業内で広く使われているVMware vSphere環境と同一インターフェイスによる運用管理が可能だ。ユーザーは必要に応じて自由に仮想マシンを設計し、任意のソフトウェアを載せて利用できる。

IIJ GIO VWシリーズのメニュー構成

 また、設計当初からハイブリッドクラウドとしての利用も想定されており、自社内プライベートクラウドと接続して柔軟なリソース拡張のために活用したり、「VMware Site Recovery Manager(SRM)」を活用したバックアップサイトしての利用も想定される。

 ソフトウェアに関しては、従来のIaaSのようにあらかじめ標準的なソフトウェアをセットしておく、という形ではなく、新たなサービスとしてIIJ側でソフトウェアプラットフォームを構築し、ISVなどの協力も得ながらユーザーが必要なソフトウェアを簡単に選択/インストールできる環境が提供される計画となっている。

 価格は、最小構成で月額9万8000円/台から。

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