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夢の「4K2K」はAVよりPCのほうが近かった!! 第2回

4K2KテレビとPCを接続! で、超高解像度でゲーム三昧!!

2012年05月22日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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東芝本社にPCを持ち込んでゲームする筆者

東芝本社にPCを持ち込んでゲームする筆者

 このほかにも、ダートトラックの迫力満点のレースが楽しめる「DIRT SHOW DOWN」(Codemasters)やモデルの作り込みの細かさがよくわかるSF調のFPS「MASS EFECT 3」(Electronic Arts)など、さまざまなゲームをプレイした。

 FPSやレースゲームは、美しくかつリアルに再現されたゲーム世界の映像が臨場感を何倍にも増してくれるが、4K2Kはそのレベルを超えている。

ゲームをプレイする筆者の後ろで細かい解説をしてくれた西岡さん

ゲームをプレイする筆者の後ろで細かい解説をしてくれた西岡さん

 「ゲーム制作者も、最新ゲームではマルチディスプレー環境で4K2Kクラスの解像度での表示を意識して制作していることがよくわかりますね。モデリングデータやテクスチャーの作り込みが甘いと4K2Kでは粗さが目立ってしまうものもありますが、よく作り込まれた作品は別物かと思うくらい上質なグラフィックに驚かされます」(西岡さん)

 極めつけは、「The Elder Scrolls V:SKYRIM」(Bethesda Softworks)。すでに家庭用ゲーム機にも移植されている人気タイトルだが、PC版を4K2Kでプレイするとまさに別格の美しいグラフィックに感激する。ゲーム世界に没入したまま帰ってこれなくなってしまうんじゃないかと心配なほどだ。このゲームには、驚くことにユーザーが提供している非公式のmod(追加アプリケーション)で、4K2K表示用のテクスチャーまで用意されているという。

 なんというコアな世界。だが、リアリティーを追求することがゲームの流れなら、きっと近い将来4K2Kゲームは一般的なものになるとさえ思ってしまう。

 4K2K表示のゲームがこれほど別次元の臨場感を味わえるとは、正直筆者も予想していなかった。実際のところ、これまでの例からすればそろそろ美味しい時期を過ぎた感のあるPS3やXbox360といったHD解像度のゲーム機も、当分現役のままで良いかと思っていたほどだ。だが、一度4K2Kを見てしまうと、家庭用ゲーム機も次の進化をすべきだと思ってしまう。

 そもそも、解像度が高いだけでここまで画質が向上したと感じるのが不思議だ。その点について住吉さんに伺うと「フルHDを超える高周波の情報がきちんと再現されることで、映像の印象が大きく変わります。そこがいわゆるテレビ映像とリアルな肉眼視の違いなのでしょう。そして、フルHDの1画素では混ざった2色でしか表現できなかった部分が、4K2Kでは4画素使えるのできちんと2色で表現できる。このため、色もより鮮やかになるし、グレーの階調もより緻密に再現できます。こういった点が高解像度化のメリットと言えますね」とのこと。

 なるほど納得の回答だ。さらに聞くと、我々がすでに体験済みのSDからフルHDへの解像度の進化の場合、アナログ映像からデジタル映像への移行、ブラウン管から薄型テレビへの移行など、変化の要素がほかにもたくさんあった。しかし、フルHDから4K2Kへの進化は純粋に高精細化のメリットだけを見ることになり、よりはっきりとした違いになるのだと思われる。

 そして、プレイに熱中していてふと気付いたのが、1mに満たないような近接視聴でまったく目が疲れたり、プレイに支障が出なかったこと。というよりも、むしろもっとかぶりつきで画面に寄りたくなってしまう。

 これも4K2Kの高精細のメリットで、PCゲームということもあってチラつき感やノイズ感がまったく感じられない。だから目が疲れない。強いて言うならば、高精細化のために画面表示が細かくなりすぎたものもあり、表示の確認のための視点移動が負担になるものがあった程度だ。

 高精細でかつ緻密なディテールが再現されるから、画面にぐっと迫って視聴したくなる、それだけ視野のカバー率が上がり臨場感が増す。これはゲームでもまったく同様。いやゲームという没入度の高いコンテンツでは、さらにコンテンツの魅力を高めてくれるに違いない。

 AVの世界だけを見ていると、4K2Kは確かにまだまだ先の楽しみかもしれない。だが、PCの世界には4K2Kでしか味わえない楽しみがすでにたくさんある。今後のテレビの進化の方向性(放送と通信の融合など)を考えても、これは極めて大きな発見だ。

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