Windows 8のデスクトップ環境(従来型デスクトップ)で大きく変わったもののひとつが、「Windows Explorer」(以下Explorer)だ。連載第4回では、このExplorerの変更点について、詳しく説明しよう。
リボンUIの採用で見た目が大きく変わった
Explorer
Windows 8のExplorerは、従来のツールバーからOffice 2010と同様の「リボンUI」へと、ユーザーインターフェースが変化した。リボンUIはアイコンなどの画像と文字を組み合わせたボタンやドロップダウンリストから構成され、メニューとツールバー、右クリックメニュー(コンテキストメニュー)を混在させたようなユーザーインターフェースだ。
また原則として、選択項目がメイン画面上でただちにプレビューされるという特徴を持つ。例えば、ファイルのアイコン表示を制御する「レイアウト」では、マウスカーソルを「大アイコン」の上に置くだけで、ファイルウインドウの表示が大アイコン状態に変化する。しかし、すべての機能がプレビューできるわけではなく、処理に時間を要するようなもの、例えばグループ化での表示などにはプレビュー機能はない。
グループ化では、現在のフォルダにあるファイルから必要な情報(例えばEXIF形式の撮影日など)を読み出す必要があり、さらに読み出したデータを並べ替えた後にグループ分けをするといった処理が必要になる。これでは多数のファイルがある場合に、非常に長い処理時間がかかる。理想と現実の妥協点ということなのであろう。
多数の機能を収容するため、リボンにはタブがあり、機能をグループ化している。Explorerの場合、通常は「ファイル」「ホーム」「表示」の3つだが、選択しているファイル形式などによって「コンテキストタブ」と呼ばれる、ファイル形式独自のタブが表示される。この場合、タブ直上のタイトルバー内に「コンテキスト」を示す枠が表示される。
例えば画像を選んだ場合には、タイトルバー上に「ピクチャーツール」というコンテキスト名が表示され、「管理」タブがその下に表示される。コンテキストによっては、複数のコンテキストタブができることもあれば、同時に複数のコンテキストが表示されることもある。例えば、ライブラリ内の画像を選ぶと「ライブラリツール」「ピクチャーツール」の2つのコンテキストが表示される。
なお、ツールバーは完全になくなったわけではなく、Officeと同様にタイトルバーの左側に「クイックアクセスツールバー」として残っている。標準で6個の機能があるが、リボン上でボタンなどを右クリックすることで、クイックアクセスツールバーへの登録項目が表示され、頻度の高い機能を常に表示されるクイックアクセスツールバーへ配置できる。
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