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クラウド連携やMDMも搭載する「IBM Mobile Foundation V5.0」も

セキュリティ充実!iOS、Android開発環境「IBM Worklight」

2012年05月18日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 5月17日、日本IBMはモバイル端末向けのアプリケーション開発・実行環境「IBM Worklight V5.0」、加えてクラウドなどとのデータ連係、MDMの機能も統合した「IBM Mobile Foundation V5.0」を発表した。

当日の発表会で同社のモバイルコンピューティングへの取り組みを語る専務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏

 Worklightは、「Eclipse」をベースにした開発環境を用意しており、HTML5/JavaScript/CSSによる開発が行なえる。そして、1つのプログラムコードから、

  • iOS
  • Android
  • Blackberry
  • Windows Phone

用のアプリケーションを生成する。

 クロスプラットフォームの開発環境は他にもあるが、セキュリティやプッシュ、サーバーとの連携、オフラインキャッシュを一定期間でクリアするといった高度な機能を持つアプリケーションをクロスプラットフォームで生成可能な点がWorklightの大きな特徴だ。「ゼロから作れば数年はかかる機能を持ったアプリケーションを作れる」という。

Worklightは、Eclipseベースの統合開発環境「Worklight Studio 」、Javaベースのアプリケーションサーバー「Worklight Server」、デバイスのネイティブ機能へのアクセスなどを提供する「Worklight Device Runtime コンポーネント」などで構成される

 Android用にはPC上でアプリケーションを実行するエミュレーションも用意しており、タブレットやスマートフォンなどディスプレイサイズの異なる端末で動作も確かめることが可能。iOS用アプリケーションの生成はアップル提供の開発環境「Xcode」が必要となるが、WorklightはXcodeにインポートできるプロジェクトの出力機能を搭載する。

 Worklightには、利用するモバイルデバイスの数が決まっている用途向けにサーバーとデバイスの数で料金が決まる「Enterprise Edition」、不特定多数のデバイスを対象にする用途向けに提供するアプリケーション数で料金が決まる「Consumer Edition」の2種類が用意される。金額は、Enterprise Editionが495万5900円から、Consumer Editionは1アプリケーションあたり2154万5000円から。

 Consumer Editionは高額ではあるが、ワールドワイドで展開する金融機関の顧客向けアプリケーション、数百万台の出荷が見込まれるカーナビの組み込みソフトといったかなり大規模な用途を想定する。そのため、1ユーザーあたりの単価としては、そう高額にはならないという。

 なお、Worklightの元は、モバイル向けソフトウェアディベロッパーで、2012年3月にIBMが買収した。従業員数が24名と小規模な企業だったが、イスラエルに本社を置いていることもあり、軍事レベルのセキュリティ技術を有しているという。

Salesforce.comやDB2との連携を可能にする「Mobile Foundation」

 同時発表のMobile Foundationは、Worklightが持つアプリケーション開発・実行環境に加え、

  • クラウドや基幹システムとのデータ連係
  • アプリケーションやモバイル端末のセキュリティと管理(MDM)

の機能を提供する。

 クラウドや基幹システムとのデータ連係として、Salesforce.com、Oracle CRM On Demand、NetSuite SuccessFactorsといったクラウドサービス、IBM DB2、SAP、SQL Serverなどオンプレミスの基幹アプリと接続するためのアダプターやテンプレートを用意。基幹システムの更新をモバイルデバイスにプッシュ通知するといったことが可能になる。

 MDM機能は、モバイルデバイスとアプリ、さらにPCなどの他のエンドポイントも統一的に管理できる。デバイスに対しては、セキュリティ構成管理や端末画面ロック、データ消去、改造検出などが可能。また、アプリに対しては、オフラインキャッシュの暗号化やアプリケーションの改ざん防止、シングルサインオンなどが行なえる。

 Mobile Foundationにも、Enterprise Edition(1281万4500円から)とConsumer Edition(2696万6000円から)を用意。MDM機能は、不特定多数のデバイス向けであるConsumer Editionでは提供対象外となる。

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