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新Xeonがデータセンターに与える影響を説明

エントリー領域をカバーする新Xeonの実力と電力制御とは?

2012年05月17日 09時30分更新

文● 渡邊利和

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5月16日、インテルはプレス向けの説明会を開催し、15日に正式発表となったXeonの新製品「インテルXeonプロセッサー E5ファミリー E5-4600」「同E5-2400」「インテルXeonプロセッサー E3ファミリー E3-1200v2」と、これらのプロセッサーに盛り込まれたデータセンター向け機能に関するデモを交えた紹介を行なった。

エントリー領域をカバーする新プロセッサー

 今回新たに追加されたのは、Xeon E5ファミリーで2製品と、E3ファミリーで1製品だが、E3-1200v2は名称に“v2”と入ることからも分かるとおり従来製品のアップデート版という位置づけになる。プロセッサーコアとしてはE3-1200v2のみがIvy Bridge世代で、E5/E7ファミリーはSandy Bridge世代となっている。

今回追加された新プロセッサーの位置づけ

 製品の性格付けはおもに対応するシステムのソケット数で分けられており、E3-1200v2は1ソケット、E5-2400はエントリーサーバー向けの2ソケット対応、E5-4600は高密度4ソケットとなる。4ソケット以上の構成は、従来はE7ファミリーが対応するという棲み分けだったが、E7ファミリーはスケールアップ型のシステム構成を想定する一方、E5-4600は4ソケット対応とはいえプロセッサー間接続のためのQPIの本数が少ないなどの差があり、より低コスト指向という位置づけだ。同社では、HPC分野など、ある程度の処理能力を持つノードを大量に並べるスケールアウト型システムでの利用を想定しているという。

E3-1200の1ソケットプロセッサー構成E5-4600の4ソケットプロセッサーの構成い

電力制御への新たな取り組み

 今回の新製品を含む現行Xeonファミリーの新機能として「インテル ノード・マネージャー」および「インテル データセンター・マネージャー・ソフトウェア」があるが、今回改めてその詳細について説明が行なわれた。

 単純に言い切ってしまうと、ノード・マネージャーはチップセットに組み込まれた監視機能で、データセンター・マネージャー・ソフトウェアはノード・マネージャーの機能を運用監視ソフトウェアで利用するためのソフトウェア開発キットの名称ということになる。

 同社のクラウド・コンピューティング事業本部の田口 英治氏は、インテル自身が大規模なデータセンターを運営していることから得られた経験やノウハウに基づいてデータセンター最適化に取り組んでいることを紹介し、シリコンレベルからデータセンター全体レベルまで、幅広い分野で取り組みが行なわれているとした。

インテル クラウド・コンピューティング事業本部 田口 英治氏

 ノード・マネージャーは、システム側のBMC(Baseboard Management Controller)と協調して動作し、システム全体の消費電力だけでなく、プロセッサーとメモリの電力消費を個別に監視したり、各種温度センサーによる温度情報を監視したりといった機能を備える。こうした精密な監視機能がシステム側で標準機能として整備されることで、データセンター全体の運用管理体制を考える際にはそうした機能を前提とした制御が可能になるなど、全体的な底上げにつながっていくと考えられる。

インテルのノード・マネージャー

 一方、ノード・マネージャーの機能は外部からなんらかのソフトウェアによって制御し、情報を読み出さなくては意味がない。運用監視ソフトウェアの開発を支援するためにインテルが提供するソフトウェア開発キットがデータセンター・マネージャー・ソフトウェアだ。

インテル データセンター・マネージャー(ソフトウェア開発キット)

 ポリシーで指定された電力消費量を上限としてシステムの消費電力量を決められた枠内に収める“キャッピング”などの機能を実現するなど、基本的な機能は実装済みで、あとは適切なユーザーインターフェイスを付与したり、読み出したデータを見やすく可視化するビジュアライズ機能などを独自に加えることで運用しソフトウェア製品を完成させることができる。デモでは、システムが現在消費している電力量をリアルタイムでモニタリングしたり、上限値を設定することで電力消費量を制限するなどの機能がノード・マネージャーに実装されていることが紹介された。

デモ用に作成されたノード・マネージャー対応ソフトウェアによるデモの様子

 かつてのNetburstアーキテクチャの時代からCoreマイクロアーキテクチャ世代に移行した際に開発ポリシーが電力効率重視へと転換され、これまでに大幅な効率改善が達成されてきたが、そろそろシリコン側で削減可能な“無駄な”電力消費はほぼ見つからなくなりつつあるようだ。そこで、より上位のレイヤーでの運用管理を支援することで全体的な電力効率改善を実現していくためのツールとして用意されたのがノード・マネージャーおよびデータセンター・マネージャー・ソフトウェアだということになる。

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