このページの本文へ

さまざまな環境センサーをオプションで付けられる

DCIM実現のためのインテリジェントPDU「ラリタン PX2-1000」

2012年05月16日 09時00分更新

文● 渡邉利和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

5月15日、ラリタン・ジャパンはリモートからの電力計測と環境監視に対応したインテリジェントPDU(Power Distribution Unit)のエントリーモデルとしてPX2-1000シリーズ4機種を発表、同日発売開始した。DCIMの実現を強く意識し、豊富なセンサー群をオプションでサポートする点が特徴となる。

単なる低価格化だけでないエントリモデル

PX2-1000シリーズの外観。ラック前面手前角に縦に設置されているテーブルタップ状に見えるのがPC2-1000シリーズ・インテリジェントPDU。中央部に制御部/外部インターフェイス部があり、上下にコンセントが配置される

 PX2-1000は、マシンラックに取り付けて各IT機器への電力供給を行なうインテリジェントPDUだ。ラリタンでは、リモートから緻密な電源管理を実現するインテリジェントPDUとして以前からDominion PXシリーズを展開していたが、PX2-1000は、リモートからの電源のオンオフ制御といった機能を省略する一方で新たな環境センサーをサポートすると共により低価格化を図ったエントリモデルという位置づけになる製品だ。

 今回発表/発売された機種はいずれもコンセント数24口で、おおまかに言えば入力電圧(200V/100V)と最大供給電流(30A/16A)の組み合わせから4通りの仕様となる。価格はオープン価格だが、市場想定価格として9万4290円からとされている。

 以前のDominion PXシリーズでも、コンセントの口ごとにリモートからオンオフを行なうことができ、電力測定もコンセントの口ごとにできるなど、よりきめ細かな制御が可能だった。一方、PX2-1000ではリモートからの電源のオンオフ機能が省略され、電力測定もPDU全体の単位での計測となったが、その分低価格化が実現された形になっている。

4機種のモデル・ラインナップ

 また、環境センサーが豊富にラインナップされている点も特徴で、従来からある温度/湿度センサーに加えて新たに「エアフローセンサー」(風量)、「エアプレッシャーセンサー」(気圧)、「コンタクト・クロージャセンサー」(ドアの開閉や、煙検知/振動検知/漏水検知などの各種の汎用センサーの接続が可能)の3種の環境センサーがオプションに加わっている。こうした変更は、単にエントリーモデルとしてコストダウンを実現するためにとどまらず、背景には同社の事業戦略の変化があるのだという。

オプションで用意される環境センサーの例

電力効率向上からDCIMへ

 ラリタンのアジアパシフィックおよび日本担当のシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーのフランク・ホアン氏は、同社の戦略が“DCIM”(Data Center Infrastructure Management、データセンタインフラストラクチャ管理)の実現へとシフトしたと語った。

ラリタンのアジアパシフィックおよび日本担当のシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーのフランク・ホアン氏

 Dominion PXが製品化された時点でのデータセンターの大きな課題は“電力効率の向上”であり“PUEをどうやって引き下げるか”だったため、コンセント単位での電力測定やリモートからの電源オンオフといった機能によって緻密な電力管理を行なうことが重視されたのだが、現在ではより包括的な概念であるDCIMというコンセプトに基づき、電力のみならずデータセンターのあらゆる要素を対象とした統合的な運用管理基盤を実現することを指向している。そのため、PX2-1000シリーズでは全てのラックに装備できるような低価格化と、さまざまな環境測定に対応できる豊富なセンサー群に対応することになったわけだ。

 データセンターの空調管理に関して世界的に大きな影響力を持つASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)では、データセンターでの環境管理の基準として、“3T+1H”というセンサー配置を推奨している。これは、ラックの上部、中部、下部に温度センサー(Thermal×3)、ラック中部に湿度センサー(Humidity×1)を配置するというもので、これに対応した3つの温度センサーと湿度センサーをセットにした温度・湿度センサーも新たにオプションに追加されている。

 また、エアフローセンサーは最大4m/sまでの風速を測定できる指向性を持つセンサーで、ラックの前面や背面での気流測定や、IT機器内蔵の冷却ファンの出口で測定することでファンの故障をいち早く察知するなどの用途に利用できる。エアプレッシャーセンサーは差圧検知型のセンサーで、最大125Paまでの圧力差を検出できる。床下の冷気チャンバーと床上の圧力差を適切に維持することで吹き上げ風量を確保する、といった用途に使える。また、汎用のWebカメラ等を接続可能なUSBポートも追加されており、これとコンタクト・クロージャセンサーを組み合わせることで、ラックのドアが開けられたら撮影を行なうことで誰がラックを開けたのかを記録する、といった使い方も可能になる。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ