マウスコンピューターの11.6型ウルトラブックは日本人のこだわりを満たす

カーボンファイバー採用で985gを実現したウルトラブック、LuvBook X

文●石井英男

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Windows 8を見据えて大型タッチパッドを搭載

 本機のボディーサイズは、幅298×奥行き194×高さ17mm、重量はわずか985gである。同じ11.6型液晶を搭載したASUSTeKのZENBOOK UX21Eの場合、ボディーサイズこそ幅299×奥行き196.8×高さ17mmとほぼ同じだが、重量は約1.1kgと、LuvBook Xよりも1割以上重い。

 ウルトラブックで重量1kgを切った製品は、LuvBook Xシリーズが初であり、実際に持っても明らかに他の製品より軽いと感じる。最厚部21mm以下というのがウルトラブックの要件だが、もちろん、LuvBook Xシリーズは、厚さに関する要件も余裕でクリアしている。

 液晶は11.6型で、解像度は1366×768ドットである。光沢タイプの液晶で、発色も鮮やかだ。全86キー(電源ボタンも含む)で、キーピッチは約19mmと余裕がある。アイソレーションタイプのキーボードで、キー配列も標準的なので、快適にタイピングが可能だ。

キーボードはアイソレーションタイプで、キーピッチは約19mm。キー配列も標準的でタイピングしやすい。タッチパッドのサイズが大きく、操作性も良好だ

 今回キーボードバックライトが省かれているが、これはLEDバックライトを入れることで15g重量が増してしまうためだという。このことからも極限までシェイプすることで薄さと軽さにこだわったことが見て取れる。一方でレイアウトなどには妥協がなく、右上に電源ボタンを用意するなど、使いやすいレイアウトにこだわっている。電源ボタンは4秒間長押しすることで動作する仕様で、DeleteやBackspaceといった近くのボタンとの押し間違いにも配慮している。

 ポインティングデバイスとしては、タッチパッドを搭載する。ウルトラブックでよく見られる、パッドとボタンが一体化したタイプで、デザイン的にもすっきりしている。パッドサイズが横106×縦58mmと、このクラスの製品としては非常に大きいことも特徴だ。サイズが大きいので、微妙なポインティング操作がしやすい。

 また、次期OSのWindows 8では、タッチパッドの重要性が高まるため、そのことも見据えて設計されているのであろう。

USB 3.0やミニディスプレイポートなどインターフェースも充実

 インターフェースとしては、USB 3.0とUSB 2.0を1基ずつ備えるほか、ミニディスプレイポートを搭載。ワイヤレス機能として、IEEE 802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0をサポートする。さらに、130万画素ウェブカメラとPCI Express接続のmicroSDカードスロットも搭載するなど、11.6型クラスのウルトラブックとしては機能的にも充実している。

 細かなこだわりとしては、USBポートの配置が挙げられる。コストを下げるため、1枚の基板で実現しようとすると、端子類は片側にまとめてしまったほうがいい。しかし、それでは利便性が低くなってしまう。ここに配慮して片側の基板を独立させ、放熱ファンの上にフラットケーブルをまたがせて接続している。コストがかかる部分だが、利便性を優先した形だ。

右側面には、microSDカードスロットとヘッドホン/マイク端子、USB 2.0が用意されている

左側面には、USB 3.0とミニディスプレイポートが用意されている

 もうひとつのこだわりが薄型でもディスプレー出力を持っている点だ。ミニディスプレーポートを持つことで、変換ケーブルを介してプロジェクターなどへの接続が可能となる。有線LAN機能は内蔵していないが、量販店モデルのLBXC700Sでは、USBポートに接続する有線LANアダプターやミニディスプレイポートをD-Sub15ピンに変換するアダプターが標準で付属していることも嬉しい。ビジネス用途で使うのなら、有線LANやD-Sub15ピンが必要になる場面も多いだろう。

 直販モデルでも、これらのアダプターはオプションとして用意されており、BTOで追加購入できる。

 なお、内蔵ディスプレーと本体の接続にはeDP(Embedded Displayport)が使用されているそうだ。仕様上は著作権保護のHDCPに対応ない。そのため、地デジ放送番組などが表示できないという問題が発生しないか心配な面はあるが、ソフトウェアなどでサポートするという。

 これ以外にも側面のLEDで、カバンに入れた状態でスタンバイかどうかを確認できるよう配慮するなど、国内メーカーならではの細かなニーズを汲み取っている点は好感が持てる。