このページの本文へ

2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第18回

痛車ワンツーフィニッシュ! 富士の裾野にミクとエヴァが立つ

2012年05月11日 15時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 撮影● 鉄谷康博、加藤智充、近江 勤、編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

予想しなかったポディウムの頂点が目の前に!

 ミクZ4の前を走る#11と#66はあと1回ピットインしなければいけないため、実質3位だがガライヤとエヴァ紫電はかなり快調に走っており、追いつくのは厳しいかと思われていたが……。残り20周を切った頃、再び雨が降り始める。こうなるとキツイのは国産のJAF-GT勢。そう、ガライヤとエヴァ紫電だ。「GT3マシンはABSなどの電子制御があるから、こういうときはJAF-GTマシンより有利」と片岡選手は分析していたが、まさにそのとおりでグングン前との差が詰まり、ここにきてベストラップも叩き出す谷口選手。

 前の2台はコーナーで姿勢が安定せず、コース上に残るだけでも精一杯といった感じ。片岡選手によるとこの快走は「ヨコハマは“ちょい濡れスリック”が強いんです」とのこと。ちょい濡れの路面でもグリップするヨコハマのスリックタイヤと、ドリフト出身ゆえの滑る路面をモノともしない谷口選手のドライビングテクニックがドンピシャにハマったのだ。

 ついに1コーナーでエヴァ紫電をパスし、ガライヤとの差を詰めるミクZ4。残り8周というタイミングでガライヤを抜き去り、再びトップに返り咲いた。ガライヤとエヴァ紫電の2位争いに、追い上げてきたでちゃうアストンも加わり、熾烈なバトルが繰り広げられる。だが、ペースが上がらなくなってしまったガライヤは、でちゃうアストンの先行を許してしまい、残念ながら表彰台圏外へ。

 2位以下に20秒近い差をつけたミクZ4は盤石の走りでチェッカーを受けた。2位はなんとかその座を死守したエヴァ紫電、3位にガライヤとのバトルを制したでちゃうアストンが入った。なお、Mirai Z4はポイント圏内には入れなかったが、11位まで順位を上げての完走だった。ついに、痛車がワンツーフィニッシュだ!

 この優勝により、ミクZ4はポイントランキングでトップに躍り出た。まだ2戦目が終わったばかりなので、喜ぶには時期尚早かもしれないが、幸先の良いシーズンである。特別に優勝記者会見の動画をアップしたので、谷口選手の爆笑もののやりとりを見てほしい。

 痛車の順位を見ると、1位:#0 ミクZ4、2位:#2 エヴァ紫電、11位:#4 Mirai Z4、17位:#27 イカ娘フェラーリ、リタイヤ:#48 音々コルベット、#5 マッハ458、という結果に。Mirai Z4は次こそポイントを獲得できると期待したい。

 今回の勝因をチーム関係者に聞いてみた。

谷口選手「片岡選手のいぶし銀の走りのおかげ」
片岡選手「谷口劇場のおかげ」
大橋監督「チームの総合力」
安藝社長「チームの総合力」
鈴木代表「BMWだから!

 さて、ちらほらとウワサが聞こえてくる2012年式のBMW Z4GT3だが、いったいいつから導入されるのか? 鈴木代表、そこんとこどうですか?

鈴木代表「もうすぐですよ。遅くても鈴鹿には投入できるんじゃないかな。もっと前に投入できるかもしれないけど、具体的な日程は決まってないのでなんとも」

 最後に興味深い話が聞けた。セパンはあと1ヵ月しかないから厳しいかもしれないが、早ければ第4戦のSUGO戦で登場するかもしれない2012年モデルのZ4GT3。1台だけなのか、2台ともなのかも気になるが、あとは生放送などで言及されるのを待とう。

 次戦はチーム初優勝の地、マレーシア・セパンサーキットだ。谷口選手が得意とするこのサーキットで、再び優勝を手にすることができるのか? 番場選手も去年優勝しているだけに、一矢報いることができるかもしれない。2台のZ4の武運を祈ろう!

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ