唯一の最新式モデル
パナソニックサイクルテック「ジェッター」編
走行レビュー3車種目は、パナソニックの「ジェッター」。2012年4月発売の最新モデルです。クランク部にモーターが付いており、リアルストリームに似ています。しかし、パーツ類を見てみると、前ブレーキはVブレーキで、フロントフォークのサスペンションもなく、ギアは外装10段と、微妙に違った構成です。そのせいか、リアルストリームが22.9kg、CRS HBが23kgという重量に対し、ジェッターは20kg(440mmモデル)と、より軽量になっています。
なお、業界標準テストの走行距離は、CRS HBのスポーツモードと同じく、パワーモードで36kmです。
今回も東京ドームからスタートし、前の2車種と同じコースを走りました。コントローラーのディスプレーにある電池残量表示は5段階で、13mほど走ったTBS裏の激坂・三分坂を上がったところでひとつ消えました。ふたつ目が消えたのが、24kmほど走ったあたり、晴海大橋を往復したあとの38kmほどで3つ目が消えました。電池マーク1段階で12~13kmくらいといった感覚です。
リアルストリームのバッテリーが切れた45km地点についても、まだバッテリー残量表示のマークは残り2つ。今回は、1日で終わらせたかったのでそのまま2周目に突入しました。
2周目、九段坂を上った51kmあたりで、残表示がひとつに。このあと、紀尾井坂を上がったあたりで、バッテリーマークが点滅しはじめました。このあとに控えた打ち合わせの時間が迫ってきたため、コースを外れ、事務所の神保町方面に引き返しました。
途中、九段坂の北側にある中坂を2往復して神保町に戻ったところでちょうどバッテリーがなくなりました。2周目のコースは大きく変わってしまいましたが、走行距離はおよそ61kmでした。
コースを変えつつも、なんとか連続リタイヤは免れ、完走できました。走った感じは、自転車本来の走りを重視したCRS HBとは違って、国産の電動アシスト自転車らしく、やはりリアルストリームに似ています。走り出しではリアルストリームほどのパンチ力はありませんが、ほどよいアシストをしてくれます。感覚的には、リアルストリームの8割程度の印象。上り坂では、アシストにすべて任せっきりというよりは、少しギアを軽めにしてすいすい上がっていく感じ。アシストを重視しながらも、スポーツライドの爽快感も味わえます。
3車種ともそうですが、バッテリー残量がなくなっても自転車としては普通に走れますので、急な上り坂でもなければ、特に問題ありません。ジェッターは車体が軽く、リアルストリームに比べてアシスト力が少し弱い印象なので、バッテリーが切れたあとのギャップはそんなにありません。ただ、CRS HBほどではありませんが、変速機はよく使いました。少しギアが入りにくいところもあったので、変速機のパーツを上級グレードにカスタムするといいかもしれません。それから、ハンドルのグリップは素手だと少しつるつるする樹脂ですので、ポテチを食べたあとは要注意です。
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※今回の走行ログ(iPhoneアプリ「Cyclemeter」で計測。今回は誤差が多く、67kmとなっています)
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【まとめ】電動アシストスポーツは
自転車の爽快感と利便性を両立させている
最後に、今回の3車種に乗った結果や印象をまとめてみました。最初に乗ったリアルストリームは、ヤマハ発動機の力強いモーターのおかげで、どんな場所でも、自身の力を一定に保って走ることができました。近所や通勤路に坂道が多く、肝心なときのアシスト力が欲しい人におすすめです。CRS HBにはたくさん乗って、自身の体力をいちばん消耗しました。でも平坦な道では最もスビードが出しやすく、時速30km以上でも、安定した走りで爽快感を得られました。自転車でダイエットしたい人にいいかもしれません。ジェッターは、ほどよい力のモーターに助けられながら、安心して走ることができました。個人的には、変速機のパーツを交換するなど、さらなる使い勝手の良さや軽量化を追求したくなる車種です。
最終回の次回は、カジュアルタイプ2車種の走行レビューと、自転車に乗る人にオススメのiPhoneアプリを紹介します。
筆者紹介───じてんしゃ操太郎(森 英信)
神田神保町にて編集プロダクション・アンジーを自転車操業中のエディター/ライター。気が向いた日は毎日往復20kmを自転車で通勤。2012年4月27日に発売されたオタク向け自転車ムック「サイクルクリップ2012」(三才ブックス)では自転車ダイエット企画ページを担当した。http://andg.net
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