描画負荷が軽めのゲームでは?
次は描画負荷のやや軽い~軽いゲームだ。「BattleField 3」クラスの描画負荷をかけるゲームはむしろ少数派で、家庭用ゲーム機とマルチ展開が前提の現在は、このクラスのゲームが大半を占める。一般人にとってはGTX690の存在意義を見極めるのはこのあたりのゲームとなるだろう。ここでもフルHD、最高画質設定で計測している。
「The Elder Scrolls V: Skyrim」ではフィールド移動時のフレームレートをFrapsで計測した。Modは高解像度テクスチャーパックのみを入れている。
GTX680 SLIはGTX 690に対し、最低と最高fpsは微妙に差をつけたが、アベレージでは同レベル。このベンチのためにドライバー上でVsyncを無効化してテストしたが、GTX680環境でこの設定を使うと表示がおかしくなる(画面がチラつく、牛が空を飛ぶなど)ので、現実はどの組み合せでもVsync有効、つまり60fpsで頭打ちとなる。
「Call of Duty:Modern Warfare 3」ではネット対戦時のフィルムを再生させたときのフレームレートをFrapsで測定した。最低fpsが上がるのでマルチGPUは確かに効いているようだが、ある一定以上のfps(この環境では93fps)以上は出ないよう、アプリ側でソフト的なキャップをかけていることがわかる。
唯一面白い傾向を見せたのは「PHANTASY STAR ONLINE 2」の公式ベンチのスコアーだ。GTX680シングルとのスコアーの差から、SLIは効果があるとわかるが、GTX680 SLIとGTX690のスコアー差もまた大きい。
GPU性能の差がスコアーに大きく反映されやすいよう計算しているせいだと思われるが、画面の見た目ではGTX680 SLIとGTX690の差はもちろん、GTX680シングルとの差もまったく感じられない。というのもfpsは140~170位で変動するため、普通の液晶と目では違いを見分けるのは困難なのだ。
ゲーマーの夢、3画面環境
以上のテストを通じてわかるのは、GTX690は確かに凄く、GTX680 SLIに対して体感できるような差がないという点だが、同時に(今回試したゲームでは)GTX680シングルと比較してゲーム環境が激変する印象はない。どれも十分滑らかに表示されるため、人間の目の限界を超えているのだ。
ならばゲーマーの夢、3画面サラウンド表示ではどうか? 時間とアプリ側の対応の関係で「バトルフィールド3」のみでのテストとなる。
横5760ドットの画面の負荷はさすがに重く、GTX680シングル環境だと、動きの大きいシーンで明らかにガクッとなるのがわかる。だがGTX690なら平均60fpsは割ってしまうが、なんとかゲームになるのは凄い!
ただ他のテストと違い、GTX680より微妙に性能が上がっているのは、少々謎だ。GPU間の距離が短いからか、まだドライバーの熟成が足らないからだろうか。
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