1回の充電にかかる電気代はいくら?
フル充電で何kmアシストしてくれるの?
電動アシスト自転車のバッテリーは取り外しが可能で、家庭用のコンセントから専用の充電器を使って充電できます。車種によってバッテリーの容量はさまざまですが、充電にかかる時間はだいたい2~5時間ほど。ヤマハ発動機やパナソニックサイクルテックの公式サイトよると、フル充電1回にかかる電気代は、だいたい5円~10円ほどとのことで、サイフにも優しい仕様です。毎日フル充電して使っても、ひと月300円程度となります。
ここで忘れてはいけないのが、バッテリー劣化による交換コストです。リアルストリームの仕様では、交換の目安が充電回数700~900回としています。交換バッテリーの価格は、リアルストリームに標準搭載されている8.1Ahタイプの「長生きバッテリー」の場合、3万5700円です。1日1回充電して2~3年で交換というイメージですが、オーナーの利用環境によりバッテリーの寿命が異なるので一概に言えません。
また、バッテリーを最初からついていたものから大容量のものへ交換するのは、同じメーカー内であれば基本的には可能です。ただ、2011年から登場した長生きバッテリーを始めとする新型バッテリーは、2010年以前のものと互換性がないため注意しましょう。2011年にリチウムイオン電池の大幅な性能アップがあったため、2010年以前の電動アシスト自転車と、2011年以降の電動アシスト自転車では、同じメーカーであってもバッテリーの互換性はありません。共通している点は、車種によって取り付けられるバッテリーが決まっているということ。大容量バッテリーへアップグレードを検討する場合は、先に各メーカーのサイトで確認しておくといいでしょう。
フル充電した状態でどれくらいの距離をアシストしてくれるのかも気になるところです。現在各メーカーがカタログなどで公表している走行距離は、業界統一テストの数値です。以前はメーカー独自のテストで走行距離を示していたのですが、各社基準がまちまちなため、ユーザーのためにもより実用に近いものを表記しようと、社団法人自転車協会が「電動アシスト自転車の測定方法に関する基準」を定め、2010年4月からこの基準に則った業界統一テストの数値が表記されるようになりました。
とはいっても、この走行距離はユーザーの体重、バッテリーの劣化度合い、ストップ&ゴー、登坂路走行の頻度、気温の高低によって変わってくるので、あくまでも参考値に留めておくといいでしょう。
ちなみに、走行中にバッテリーがなくなってしまった場合、ちょっと重い普通の自転車になります。ペダルが極端に重くなることはありませんが、重量があるだけに電動アシストがない自転車に比べれば疲れやすくなることは否めません。できればバッテリーがなくなる前に家に帰りましょう。また、電力を使うため、水は弱点です。雨の場合、モーターなどにはカバーがあるのですぐには壊れませんが、水没するなど水にどっぷり浸かってしまうと完全にアウトです。できるだけ雨の当たるところでの保管、雨のときの使用は避けた方がいいでしょう。
【次回予告】スポーツタイプの電動アシスト自転車で
都内を力尽きるまで走ってみた!
電動アシスト自転車の走行距離は環境によって変化します。しかし、同一条件で走り比べた場合、大きな差は出るのだろうか? そんな疑問にお答えすべく、次回はスポーツタイプの3車種を使って、都内のコース(主に坂道)をフル充電の状態から充電が切れるまで走ったレポートをお伝えします!
筆者紹介───じてんしゃ操太郎(森 英信)
神田神保町にて編集プロダクション・アンジーを自転車操業中のエディター/ライター。気が向いた日は毎日往復20kmを自転車で通勤。2012年4月27日に発売されたオタク向け自転車ムック「サイクルクリップ2012」(三才ブックス)では自転車ダイエット企画ページを担当した。http://andg.net
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