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これだけは知っておきたい 最新テクノロジーキーワード 第4回

「インセル型タッチパネル」スマホを薄型化するセンサー

2012年05月02日 12時00分更新

文● 小林哲雄

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スマホのCPUがタッチセンサーに?
NVIDIA Direct Touch

 現在のスマホで一般的な投影型静電容量方式タッチセンサーは、配線数が多く、かつ正確な位置測定のために多くの演算が必要だ。そのためこれらは、専用のタッチセンサーコントローラーを使用している。

 しかし、タッチするのが1本の指だけならともかく、マルチタッチに対応するとなると、それだけ計算量が増大してレスポンスの悪化(あるいはコントローラーのコスト増大)につながるという問題点もある。それをNVIDIAは、「Tegra 3」の機能「NVIDIA Direct Touch」で解決するという。

「NVIDIA Direct Touch」の概念図。従来はパネルとプロセッサーの間にコントローラーチップがあったが、Direct TouchはTegra 3のコンパニオンコアに必要な演算を行なわせることで、レスポンスの改善と低消費電力を両立するという

 NVIDIA Direct Touchでは、Tegra 3が持つ超低消費電力のコンパニオンコアが、タッチセンサーの位置演算を行なう。コンパニオンコアと言えど500MHz程度までの動作周波数があるので、通常のタッチセンサーコントローラーよりもはるかに高速だ。

 NVIDIAの動作デモビデオによれば、1本指のタッチ時では120サンプル/秒程度の処理能力があるコントローラーでも、10本指タッチの場合はせいぜい70サンプル/秒程度に処理が落ちる。これに対してTegra 3を使用すると、10本でも200サンプル/秒程度と高速処理を維持するので、ゲームなどのレスポンスが要求されるアプリケーションでも軽快と説明している。

NVIDIAの説明動画より。従来製品だと1本指ならば良好なレスポンスがあっても、10本指だと速度が落ちる。これはより多くの演算が必要になるので、処理が追い付かないためだ

Tegra 3のDirect Touchを使えばより多くのデータを処理できるので、10本指でも性能低下が少ない

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