天才猫とBD少女 第7回

動画素材をPCで編集してBDに焼く方法を伝授

かふか、映像を編集してオリジナル映画のBDを作るよ！

　撮影が終わってもトモちゃんの仕事は終わらない。

「ええと、ここをこうして……」

　夜な夜なトモちゃんはパソコンの前に陣取って編集作業を続けている。

　トモちゃんの作業を見ていてよくわかったけど、ちょっとしたカットの組み合わせ方、BGMの入れ方で物語はまったく違う姿になってしまうのだ。うーむ、映画編集って奥が深い。

　今トモちゃんが編集しているのはクライマックスシーンだった。涙を浮かべた女性（トモちゃんの先輩だそうだ。けっこう美人）が友人と和解する感動の場面である。

　だが、トモちゃんは不満顔だった。

この映画に足りないもの、それは…!?

「……この話、もっと面白くできると思うんだよね……」

　このときトモちゃんの瞳の奥に輝いたのは、まさしくクリエイターの情熱の炎とでも呼ぶべきものだった。

　トモちゃんはばさっと台本をひっくり返して再検討を始めた。でも学園祭はもうすぐだし、映像を撮り直している時間はない。ストーリーを書き換えようにも素材が足らないのだ。

「猫！　……そうだ、猫がいないから物足りないんだ！」

　そこなの!?

　びっくりする僕をよそにトモちゃんは今度はハードディスクの中身を一覧表示させた。

　そこにはトモちゃんが今までに撮り溜めた僕の動画や写真が山ほどあった。……そうか、これなら高画質だし、映画やBDに使ってもクオリティの問題はない。

「よーし、あとひと頑張りしますか！」

　ガッツポーズをしてトモちゃんは栄養ドリンクを一気にあおった。

　ああ、トモちゃん、クリエイターっぽくなってきたなあ……良くも悪くもだけど。