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クラス初となる一体型ワークステーションの実力やいかに?

HP Z1 Workstationのパフォーマンスを検証!

2012年04月23日 09時00分更新

文● 後藤 宏、写真● 小林 伸

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フルHDを超える解像度で広々と使えるディスプレー

 ベンチマークスコアなどには現れにくいが魅力的なのが液晶ディスプレーだ。27型ワイドのWQHD液晶パネルで、表示解像度がなんと2560×1440ドット。縦のドット数が一般的なUltrabookの横幅よりも多く、表示解像度で比べれば、Ultrabookのデスクトップ領域を縦向きにして横に3枚並べて並べても、まだ足りないほどの広大な作業領域を確保している。普段ExcelやWordをはじめ、テキストエディターや画像管理ソフト、ブラウザーなどを展開し、常時10ウインドウ以上を広げている筆者などは、液晶パネル性能だけでもグッとくるものがある。なお、液晶パネルはIPS方式を採用しており、発色や視野角なども優秀だ。

27型のWQHD液晶パネルを搭載。フルHDの液晶パネルに比べて、約1.8倍の作業エリアを確保している。ウェブサイトを2画面同時に表示するのもラクラク。

液晶パネルはIPS方式を採用。視野角が広く、発色が鮮やか。ビビットな色から深みのある色彩まで、しっかりと表現できるのが魅力だ。

 加えて、グラフィックボードにはOpneGL系の「NVIDIA Quadro 4000M」を搭載。336 CUDAコアを備え、メモリーは2G(GDDR5)装備。NVIDIA Fermiアーキテクチャーを採り入れた設計で、高いパフォーマンスを発揮する。一般的なビデオカードのようにみえるが、これは独自設計。Z1用にNVIDIAとHPが共同開発したもので、モバイル向けのGPUを通常のPCI Express x16スロットに搭載できる形状のモジュールに実装している。

 また、本製品ではSRSプレミアムサウンド対応のステレオスピーカーをフロント面の下部に搭載。サウンド面でも妥協はない。さらに、本体上部に搭載されたウェブカメラは、200万画素クラスで、フルHDクオリティでの撮影が可能。本体の設計と同様に、性能面でもこだわりが感じられ、本製品に対するHPの本気度がわかる。

スピーカーは本体下部の左右に内蔵。SRSプレミアムサウンドに対応しており、侮れないサウンド性能。厚みのあるサウンドを楽しめる。

フルHD撮影も可能な高精細なWebカメラを、本体中央の上側に搭載。上部にあるつまみを動かすことで、カメラの向きを調整できるしくみだ。

ベンチマークテストの結果は申し分なし!

 さて、ひと通り基本性能をおさらいしたところで、いよいよ本製品の実力を検証していこう。まずは、Windows エクスペリエンス インデックスを確認。プロセッサとメモリ項目が「7.6」で、グラフィックスとゲーム用グラフィックス項目が「7.2」、プライマリハードディスク項目は「5.9」と評価されている。HDD以外の項目は、軒並み7以上をマーク。ストレージも、300GBの2.5インチSSDを2基搭載の上位モデルであれば、7以上のスコアである可能性が高く、一体型モデルと言えど、ワークステーションであることを実感させられる。

HDD項目以外は、すべて7以上スコア。さすがはワークステーションと唸らされる性能。これでも、スタンダードモデルという点が驚異的。

 Windows エクスペリエンス インデックスを確認したところで、PCMark05でベンチマークスコアを計測してみる。計測結果はCPUが11893を記録したほか、Graphicsは15939と叩き出した。一体型モデルとしては、ズバ抜けたスコアである。

CPU、メモリー、グラフィック性能のスコアは、すべて1万オーバー。パワフルな仕様で、CAD系のソフトに限らず、快適に動作することが予想される。

 試しにCHINEBENCH R11.5でもベンチマークを実行してみる。OpneGL性能を計測してみると、58.44fpsをマーク。ワークステーションとしては申し分ない性能だ。また、CPUは6.62ptsを記録。Xeonシリーズの中では、エントリークラスではあるものの、Core i7シリーズの上位クラスに匹敵するスコアをマークしている。

OpeneGLの性能を遺憾なく発揮して、58.44fpsを叩き出す。CHINEBENCHのテストグラフィックが軽快表示される。

 また、「CyberLink MediaShow Espresso」を利用して、どれだけパフォーマンスを発揮できるのか試してみた。動画編集を想定してフォーマットの変換速度を計測する。5分間分のMPEG-2動画をMP4動画に変換した時間を図ってみた。こちらも進行状況を表示するグラフがグングンと伸び、軽快に動画を変換していく。結果は、わずか27秒。この結果には、正直、ちょっと驚いた。

予想していた以上の高速な処理も驚く。映像編集に利用しても、まったく遜色のないパフォーマンスだ。

 さて、設計コンセプトからスペックのベンチマークまで、「HP Z1 Workstation」を2回にわたってレビューしてきた。クラス初の一体型ワークステーションとメンテナンス性に優れたユニークな設計コンセプトが注目を集める製品だが、スペックへの妥協もない。ワークステーションの導入だけでなく、ハイエンドクラスの性能を求めるマシンを検討する際には、ぜひチェックしておきたい1台である。

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