写真の加工やアップロードはすべて端末まかせ
FlashAirでできることは、撮影した写真を無線LAN経由で端末側に転送するだけだ。そのため、コピーした写真をどうするかは、すべて端末側まかせ。SNSにアップロードしたり、Twitterに投稿するなどしたければ、ユーザーが自分でアプリやウェブブラウザーから行なう必要がある。また写真のコピーも、Eye-Fiのような自動ダウンロード機能はなく、ユーザーがウェブブラウザーから選択する必要がある。その意味では機能が単純な分だけ、実は手間が増えると言えるかもしれない。
その一方で、コピーした写真は使い慣れたアプリで加工も自在だし、投稿にも好きなアプリを使えるという自由度がある。スマートフォンで撮った写真を、TwitterやFacebookにそのまま投稿している人は多いだろう。FlashAirは写真のコピーという一手間は増えるものの、画質のいいデジカメで撮った写真を簡単に取り込めて、お気に入りのアプリを使って投稿できる。デジカメユーザーはパソコンに取りこんでから投稿という人が多いと思うが、それに比べればFlashAir+スマートフォンの組み合わせは、とても手軽で魅力的だ。
コピーにかかる時間は短く、2MB程度の写真なら2秒程度で転送できた。ただし、まとめて複数画像をコピーする機能はないので、大量の写真をコピーしたいという時にはいささか手間がかかる。
なお当然ではあるが、スマートフォンとFlashAirを接続した状態では、無線LAN接続先はFlashAirだけになるので、インターネット側には出て行けない。スマートフォンでFlashAirからコピーした写真をどこかに投稿する場合は、いったん無線LANをオフにして3GなどWAN系の通信でアップロードするか、インターネットに接続できる無線LANアクセスポイントに切り替える必要がある。
極論してしまえば、Eye-Fiに対するFlashAirの利点は、設定のシンプルさくらいなものだ。すでにEye-Fi、特にダイレクトモードに対応したEye-Fiを使っている人から見れば、FlashAirに魅力は感じないだろう。一方で、そもそもEye-Fiを使っていない人(大多数がそうだ)には、撮った写真を手軽にスマートフォンに送って使えるというのは、十分に魅力となるだろう。Eye-Fiほど多機能を求めないという人にも、手軽なFlashAirは使いやすい製品である。
FlashAirは東芝だけの独自製品というわけではなく、SDメモリーカードの規格化団体「SDアソシエーション」によって作られた規格「Wireless LAN SD」に沿った製品である。現時点では機能面でいろいろと物足りない面もあるが、将来的にはFlashAir対応機器同士でのP2P接続による写真の交換や、対応カメラで直接アップロードといった機能も備える予定とのことだ。
FlashAirの実売価格は7000円前後で、6000円程度で売っている販売店もあるようだ。同容量のSDHCメモリーカードと比べると高いが、デジカメを日常的に持ち歩いて使う人ほど、お勧めしたい製品と言えよう。
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