このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第92回

ノマド化する音楽レーベル――「LOiD」消滅と復活の物語

2012年04月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ネットになっても人のつながりは変わらない

―― 話はちょっと戻りますが、クラブDJイベントの「MOtOLOiD」を始めた理由を教えて下さい。

村田 MOtOLOiDはヒゲドライバーが上京してきてからですね。ネット上での知名度はあるんだけど、活動している感じがネットだけだと伝わりづらい。それで彼を外に出す策のひとつでもあったんですね。

―― ヒゲさんお披露目会みたいな。

村田 最初は8bitCafeでやったんですけど、その後に、今はUSTREAMスタジオで有名になった2.5Dの人が連絡してきて、レギュラーでやってくれって言われたんです。それで2.5Dのこけら落としにヒゲドライバーが出演して、そのご縁もあってMOtOLOiDがレギュラー化したんですね。実際、それで彼の知名度は上がっていったんですよ。

Image from Amazon.co.jp
FRAGMENTS(初回限定盤)(DVD付)

ヒゲ そうですね。

村田 それで結果的にヒゲドライバーは平野綾さんへ楽曲提供することになったわけで

※ 2.5D : 世田谷区池尻大橋にあるソーシャルTV曲+オフラインスペース。オープンは2011年5月。MOtOLOiDの2回目は2011年6月3日に行なわれている。

※ 5月23日発売予定の「FRAGMENTS」にヒゲドライバーさんも一曲提供している。

―― もう音源は上がっているんですか?

ヒゲ あとちょっとで終わる感じです。

村田 面白かったですよ、レコーディングが終わった後に、ご本人にTwitterですごい絡み方して。

ゆっぺ 見ました! 「われわれの世界ではご褒美です」って。

―― 何ですかそれは?

村田 ヒゲさんがこういうキャラクターでオドオドしてたんで、レコーディング中に平野さんがふざけて、「はっきりしないとブツぞ」みたいなことを言って、レコーディングが終わった後に実際、ぶったんですよ。

―― げげっ。

村田 いや、別に冗談で、ですよ。本気じゃないです。

ヒゲ それで僕がTwitterで「お疲れ様です。またぶってください」って。いやー、楽しかったです。変態キャラが付いてしまったんで、このまま変態キャラで覚えてもらおうかと思って。

Image from Amazon.co.jp
ヒゲドライバー3UP

―― 平野さんの仕事は村田さんがセッティングを?

村田 いえいえ、2.5Dさんから頂いた話で、2.5D側が持ってきてくれたんですよ。2.5Dの社長さんが前からヒゲさんのファンだったらしいんですね。LOiDで出した「ヒゲドライバー3UP」の前の「ヒゲドライバー2UP」のときから聴いているって。

ヒゲ ありがたいことに。

村田 すごく気に入られてるよね。それで思ったのが、ネットになっても人のつながりって変わらないんだなって。好きだからやらせる、好きだから俺はこうやる。それで人のつながりが増えてゆく。その世界は崩れてほしくないですよね。





著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン