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初音ミクをファッションモデルに 人気ブランドの新たな挑戦

2012年04月08日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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宮崎あおいから“ちほP”へ

―― なぜ第1弾の「絵師」がちほPさんだったんですか?

鈴木 単純に、pixivでいちばん人気があったんです。初音ミクを描くって意味では、ホントに世界トップだと思います。

―― 当日はちほPさんもいらっしゃったとか。

鈴木 はい。すごかったですよ。レジ待ちの列の後に「ちほP待ち」の列ができてて。

「ちほP待ち行列」はTwitterでも告知。商品にサインを入れたため「サイン待ち」の列ができた

秋元 「ちほP移動しました!」ってTwitterにも書くと、お客さんもそっちに来るんですよ。渋谷とか全然売れてなかったんですけど、ちほPが来てからドーンと売れました。地方の方からは「東京だけズルい!」と言われたり。

鈴木 ぼくらにとってうれしい誤算だったのは、ちほPさんに対するファンがありえないくらい多かったことです。初音ミクじゃなく「ちほPだから買う」って人が多くて。

―― 宮崎あおいから“ちほP”に。かなり大きな変化ですよね。

鈴木 今まで、そういう(モデルを使ったプロモーション)企画って、代理店だったりが企画して、こうやったら儲かりますよ、プロモーションになりますよ、みたいな感じでやってきたと思うんです。でもうちはSPA(製造小売)で、作るとこから売るところまですべて自前でやってるんで。

秋元 ぼくらも作り手さんたちをとにかく大切にしたいと思っていて。それはクリプトンさんと一緒なんです。初音ミクを売りたいと思ってるのは自分たちだけど、それを支えてくれてるのは全部の作り手さんたちなんだと。だからクリプトンさんからも、とにかく絵師さんを大切にしてあげてくださいと言われています。

発売当日、Twitter連動キャンペーンとしてプレゼントした缶バッヂ。このイラストもちほP

―― ちほPのファンとなると、客層もかなり変わってきそうです。

鈴木 earthの客層が20代後半~30代前半なんですけど、ふだんはあんまり来たことないようなタイプの人もいらっしゃっていてました。若い子とか、その子のお母さんとか。

秋元 アーリーカスタマーって言われてるところですよね。もともとミクを対象に調べてみたら、予想以上に中学生~高校生の子が多くて。

鈴木 うちのブランドってそんなに価格的に高い方ではないんですけど、Twitterを見てると、高くて買えないって声がすごくいっぱいあって。「月5000円しかおこづかいもらってない、お母さんに買ってもらおう」みたいな。

秋元 ファッション業界全体の課題だと思うんですけど、ブランドのファンが付くと、ブランドの成長とともに、年々お客さんの年齢が上がっていくんです。高校生のとき好きだったブランドがずっと好き、とか。最初は20代向けに作ったレーベルが、いつの間にか30代です、みたいに。そこでブランドの若返りをはかるというのがすごく難しくて。

鈴木 ミクが好きでJapan Labelの服を着る、大人になったらearthの服を着る、みたいな感じになるといちばんうれしいですね。

―― だからブランド全体のカラーが変わらないことが重要なんですね。

鈴木 ファッションってだいたい最初に着た服が好きになるものですもんね。ぼくもずっとエアフォースワン履いてますもん。

※ Nikeのスニーカー。1982年に発売された、「エア」を搭載したバスケットボールシューズ第一号。

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