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GALAXY Note関係者インタビュー後編

カテゴリーを自分で作る! GALAXY Noteにかける意気込み

2012年03月29日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

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GALAXY Noteがいかにして誕生したのか?

 前回はサムスン電子製「GALAXY Note」のデザイン・開発チームに話を聞いた(関連記事)。今回は商品企画グループの責任者であるキム・ジョンイン常務、そして日本で営業を担当するキム・ソンシン常務が同製品の話を聞かせてくれた(ソンシン氏は主に通訳を担当)。

 販売にかかわるお二人からスマホ市場の現状と、その中でのGALAXY Noteの立ち位置などを語ってもらった。また、世界中で展開したGALAXY Noteのプロモーション活動「GALAXY Note World Tour」と「GALAXY Studio」についても紹介する。

全世界で500万台売れているというGALAXY Noteだが、日本ではどのくらい売れるのだろうか?

 まずは商品企画担当という立場から、GALAXY Noteのコンセプトをキム・ジョンイン氏に聞いた。

キム・ジョンイン氏「どんな製品にするかを構想するときに、新しいセグメントの商品を作りたいと考えました。携帯電話はもはや通話デバイスというより、情報を得るためのデバイスになっていますよね。話すのではなく、“見るためのケータイ”というコンセプトで企画をしました。見るケータイであれば、どのくらいのディスプレーサイズが適正なのか(使い勝手など)を考慮した場合、5型がベストだろうと。と言っても、ただ画面が大きいだけではダメで、操作していての気持ちよさ、クリックなどの感触に力を入れています」

サムスン電子 常務 商品企画担当 キム・ジョンイン氏

 ケータイ(フィーチャーフォン)もそうだが、とくにスマホになってからは通話より通信している時間が圧倒的に増えた。もちろん、携帯電話としては通話できることは最低条件だが、それ以上に通信機能(LTEやテザリングに対応しているか)、見やすい画面(より大きく高い解像度)、そしてハイスペック(デュアルコアのCPUや大容量のストレージ)といった、一昔前では考えられなかった部分が重要視されるようになってきているし、ユーザーもスマホのチョイスでスペックを第一に選択する人も多い。

デジタルとアナログの融合“デジログ”から生まれたデバイス

 それでは、GALAXY Noteの最大の特徴「Sペン」の発想はどこから生まれたのだろうか?

キム・ジョンイン氏「もともと、ペンを使って何かを書きたいという要望がユーザーから多く寄せられていました。ペンのデバイスをスマートフォンにうまく活かせないかと考えたとき、その結果生まれたのがSペンでありGALAXY Noteなんです。スマートフォンというデジタルデバイスと、ペンというアナログデバイスの融合を、われわれは“デジログ”と呼んでいます。Noteというネーミングの由来も、デジログなら“ノート”(Note)がいいのではないか? と出てきた発想からです。これが第一候補で、そのまま採用されましたね」

 デジタルとアナログのコラボレーションが生み出したのは、Noteというデジログなデバイスだった! デジタルの最先端であるスマートフォンを使っていても、ペンを使ってイラストや文字を書くという行為は人類古来からのアナログな手法だ。そのふたつの融合を実現できるくらいまで技術が進化した、とは前回のインタビューでUXデザイン担当のパク・ヨンソク氏が語っていたことだ(関連記事)。

GALAXY Noteに対する韓国ユーザーの反応

 このGALAXY Note、世界中で売れているとのことだが、韓国国内ユーザーの反応はどうなのだろうか。ジョンイン氏が解説してくれた。

キム・ジョンイン氏「韓国市場での反応ですが……、まず韓国では携帯電話が毎日平均で7万台ほど売れております。そのうち6万台がスマートフォンで、その中の3万台がLTE対応機種、そしてさらにその中の1万5000台がGALAXY Noteなのです。現在市場に出ているスマートフォンの約25%が、GALAXY Noteということですね。

 先日、韓国のマーケットで市場調査を行なったんです。「次に買うケータイは、さらに大きな画面サイズがいいか?」という質問に、GALAXY S IIのユーザーは70%以上が同じサイズか、より大きなサイズが欲しいと回答しています。しかし、GALAXY Noteのユーザーは、より大きなサイズが欲しいのは約20%、そして約50%が同じサイズでいいと答えているんです。つまり、GALAXY Noteユーザーの70%がこれと同等か、もう少し大きな画面サイズを望んでいます。人間は“慣れる”ので、GALAXY Noteの5.3型が当たり前になってくると、もうこのサイズ以下には戻れないようです(笑)」

 さすがはスマホ&通信大国の韓国ユーザー。より速く、より大きなスマートフォンを求めているようだ。なお、このアンケートを取った層は20~30代の学生・会社員が約70%とのこと。特にスマートフォンユーザーの中心となる層が、GALAXY Noteを支持しているようだ。他の機種からGALAXY Noteへの移行が約67%、韓国のシェアの約60%がGALAXYシリーズだというから驚かされる。

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