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最新パーツ性能チェック 第124回

ついに現れた「GeForce GTX 680」は最強GPUを名乗れるか?

2012年03月22日 22時00分更新

文● 宇野 貴教(解説) / 加藤 勝明(ベンチマーク)

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自動クロックアップ機能なども搭載

 気になる機能として「GPU Boost」と「TXAA」をピックアップしておこう。
 「GPU Boost」は消費電力をモニタリングし、電力に余力があれば動作クロックを定格以上に引き上げる機能だ。このためGeForce GTX 680の動作クロックは、定格時のBase ClockとGPU Boost時のBoost Clockの2つが存在している。Boost Clock時は1058MHzで、定格(1006MHz)の約5%増にとどまるが、オーバークロック時はBoost Clockもクロックアップするため、効果が高くなる。

GPU Boostは、電力に余裕がある場合に電力を上限(デフォルトでは170W)まで使って(写真左)、動作クロックを定格以上に引き上げる(写真右)

具体的な例を示そう。BattleField 3はあまり電力を消費しないが、3DMark11ではギリギリまで電力を使っている(深緑の棒線)。電力に余裕がある場合はギリギリまで消費して(黄緑の棒線)、動作クロックを引き上げる

電力に余裕があればあるほどGPU Boostがかかり、GPUクロックが上がる。電力をあまり消費しないBattleField 3などで効果を発揮するが、3DMark11は電力をギリギリまで使ってしまうため、GPU Boostがほとんどかからない

オーバークロックした場合は、ベースクロックとブーストクロックの両方が引き上げられるため、全体的に性能が底上げされることになる

 TXAAは新しい技術を用いたアンチエイリアス機能で、従来のMSAAよりも低負荷で滑らかな画像を実現することが可能だ。ただし、TXAAに対応する3Dゲームはまだなく、これから各ゲームメーカーがTXAAを採用したゲームを製作することになるので、TXAAの恩恵を受けるのはもう少し先になりそうだ。
 なお、アンチエイリアスに関してはNVIDIA FXAAもサポートする。NVIDIA FXAAとTXAAにより、ジャギーのない滑らかなグラフィックスを重視するユーザーには、新GPUはかなり魅力的なものとなっている。

2xMSAAから4xMSAA程度の負荷で8xMSAAから16xMSAA級の滑らかな画像を実現するという、新しいアンチエイリアス手法のTXAAをサポートする

処理が軽いアンチエイリアス手法のFXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)にも対応している

ディスプレー環境もGPU側で改善

 GeForce GTX 680は、ディスプレー環境も改善されている。垂直同期を有効にしている時に、フレームレートが落ちる現象を自動的に回復させる映像安定化技術「Adaptive V-Sync」を新たにサポートし、3画面立体視の「3D Vision Surround」や、4画面出力にも対応している。

垂直同期を有効にしていると、一瞬フレームレートが落ちる現象が起こることがある

このフレームレートの低下を自動的に回復させる映像安定化技術「Adaptive V-Sync」をGeForce GTX 680は搭載している

1枚のカードで最大4画面まで出力できる。また3画面立体視の「3D Vision Surround」もサポートするため、3画面で立体視映像を楽しみつつ、残りの1画面でメールチェックをしたり、ブラウザーを立ち上げておくことが可能だ

中央の1画面のみに描画を絞り、その画面のフレームレートを上げることもできる

ベンチマーク環境

 それではベンチマークテストを見てみよう。GeForce GTX 580とRadeon HD 7970の2枚も準備し、合計3枚のビデオカードでの比較となる。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-3960X」(3.3GHz)
マザーボード Intel「DX79SI」(Intel X79 Express)
メモリー DDR3-1333 4GB×4
ビデオカード GeForce GTX 680(リファレンスモデル)
GeForce GTX 580(リファレンスモデル)
Radeon HD 7970(リファレンスモデル)
SSD PLEXTOR「PX-128M2P」(128GB)
電源ユニット ENERMAX「EPG600AWT」(600W)
OS Windows 7 Ultimate SP1(64bit)
グラフィックドライバー ForceWare 296.10 / ForceWare 300.99 /Catalyst 12.2

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