このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第87回

薄型化と価値向上を両立 第4世代レッツノート SX1の実力は?

2012年03月08日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 SX1はいろいろな部分で、細かな「工夫」が凝らされている。ひとつひとつはさほど大きなものではないが、使っていく上で大切なものである。前出のCtrl+Alt+Delキーはその好例だ。

 またスマートフォンなどの併用を前提に、USB給電機能が強化されているのも見逃せない。左側面のUSB 3.0ポートのうち、「CHARGE」と書かれた端子は、スリープ時・電源オフ時でも給電が可能だ。しかも、出力を1.5Aまで上げることもでき、出力の大きさを生かした「急速充電」もできる。

USB 3.0ポートからの充電機能を設定するユーティリティー。ここまで細かく充電機能を設定できるパソコンはそうない

 重要なのは、この機能を設定で「オフにもできる」点だ。USBでの電源供給機能は普及しているが、ラフな設計のものもあり、機器によってはトラブルの元となる。業務用として「安定重視」で使うことも、リスクを理解した上で「連携重視」で使うこともできる。この設定がわかりやすいことも、SX1の良さである。

 なお、SX1にはBluetoothでスマートフォンと連携して、ファイルを同期する機能もある。残念ながら今回は、試用時間の都合もありテストが叶わなかった。どちらにしろ、同社が「スマートフォンも使っているユーザー」を重視して製品作りをしていることにまちがいはない。

 さて、最後にまとめである。SX1はビジネス向けノートとして、十分に納得しうるだけの完成度を備えている。旧モデルに比べても着実で実直な進化を遂げている。このスタイルが気に入るかどうか、ここまで導入コストをかけられるかどうか。その2点が、SX1を選ぶか否かの分かれ目といえそうだ。

お勧めする人
・堅牢性/信頼性重視でノートパソコンを選びたい人
・バッテリー駆動時間を重視している人
Let'snote SX1(CF-SX1GEADR) の主な仕様
CPU Core i5-2540M(2.60GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 12.1型ワイド 1600×900ドット
ストレージ HDD 500GB
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、WiMAX、Bluetooth 2.1
インターフェース USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅295×奥行き197.5×高さ25.4~31.5mm
(軽量バッテリーパック装着時)
質量 約1.18kg
(軽量バッテリーパック装着時)
バッテリー駆動時間 約8時間(軽量バッテリーパック)
約16時間(標準バッテリーパック)
OS Windows 7 Professional SP1 64bit版
価格(実売価格) オープンプライス(20万円前後)

お詫びと訂正:掲載当初、OSのエディションを誤って表記しておりました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2012年3月9日)

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新聞出版)、「知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?」(共著、徳間書店)。「電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「災害時ケータイ&ネット活用BOOK」(共著、朝日新聞出版)、「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)。最新刊は「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン