ボタンレスデザインは意外に使いやすい
何度も書いているが、キューブには目に見えるマウスボタンがない。ボディー前端の上をクリックすると左クリック、中央をクリックすると右クリック(セカンダリ クリック)になる。見た目にはボタンはないもの、クリックする部分にはスイッチがあり、押し込むと小さく「カチッ」と音がしてクリック感のフィードバックがある。
ホイールの代わりとしては、左クリックと右クリックの間にある、やや凹んだ部分がスクロールセンサーとして機能する。ここで指を前後に滑らせると、上下スクロールと同じ操作ができる。記者の感覚では、ホイールのようにピタリと狙ったところで止めるのは難しいが、ウェブページの上下スクロールなら違和感なく使えるという感じであった。指の動かし方がホイールと似ているから、違和感がないのだろう。
前後のボタンの間がくぼんでいるおかげで、指の位置を目で見なくてもスイッチのおおよその位置がわかる。ただ、右クリックの部分はやや押し間違えやすいので、キーボードの[F][J]キーのように、控えめな突起があればよかった。
なお、マウスのセンサー方式はレーザー式を採用するが、同社のハイエンドマウスが備える「Darkfieldレーザートラッキング」のように、どんな平面でも自在に動かせるというわけではない。いくつか試用した限りでは、ガラス面や平滑で反射の多い平面では、マウスポインターの動きが悪くなった。
目玉のプレゼンテーションモードは
単純な仕組みで実現
キューブの目玉のひとつが、「プレゼンテーションモード」の存在だ。ボディーを宙に浮かせた状態で左クリックをすると、プレゼンテーションスライドの送りや戻しが可能になるという。一体どういう仕組みで実現しているのだろう?
実際にやってみると、その答えは簡単にわかった。宙に浮いた状態でのキューブは、左クリックスイッチに「Page Down」キー、宙で裏返すと左クリックスイッチに「Page Up」キーが割り当てられるのだ。そのため、宙に浮かせてクリックするだけで、PowerPointやAdobe Readerで表示したスライドを、次々と送ったり戻したりできる、というわけだ。
スイッチにキーが割り当てられるだけなので、対応するアプリケーションも選ばない。それどころか、ウェブブラウザーやテキストエディターでの上下スクロールにも使える(スクロール機能があるから意味はないが)。
仕組みがわかってしまえば、「キューブ以外のマウスでもできるじゃないか」と思ってしまうが、本体が小さく携帯性に優れたキューブなら、マウスを手で持ってボタンをカチカチやるよりもスマートなプレゼンテーションができるだろう。これを目当てで買うほどの機能とは思わないが、超小型マウスにプラスの付加価値をもたらしているとは言えそうだ。
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