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Motorola買収承認にしたEU当局に苦情

MSがApple側に参加、Google包囲網ができあがる

2012年02月24日 18時30分更新

文● 末岡洋子

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 Microsoftが欧州委員会(EC)に対し、Motorola Mobilityが必須技術特許を乱用しているとして苦情を申し立てた。Motorolaに対しては、先にAppleもECに同じような苦情を申し立てたことが明らかになっており、MicrosoftはAppleの支持に回る形となる。ECは先にGoogleによるMotorola買収を認めており、モバイルをはじめさまざまな分野でライバル関係にあるGoogle/Androidへの対抗ともとれる。

特許訴訟の話題の中心となっている
FRAND特許

 Microsoftの副法務顧問のDave Heiner氏は2月22日、自社ブログにてMotorolaの特許ライセンス慣行についてECに苦情を提出したことを明らかにした。Heiner氏はMotorolaが必須技術特許をFRAND条項でライセンスしておらず、「Windows PC、Xboxゲーム機などのMicrosoft製品の販売を阻害しようとしている」と述べている。

MicrosoftがMotorola/Google陣営に宣戦布告

 このところのスマートフォンメーカー間の訴訟で、1つの争点となっているのがFRANDだ。標準化団体などは企業に対し、その技術に必要な基本的な技術に関する特許はFRAND(Fair“公正な”, Reasonable“合理的、妥当な”, And Non-Discriminatory”非差別的”)条項でライセンスすることを求める。だが、スマートフォン特許訴訟で、FRANDに該当する必須技術を主張する事例が出てきており、1月にECはSamsungに対し、FRAND特許の乱用について正式な調査を開始した。

 2月に入ってからは、Appleが欧州標準化団体に必須特許のライセンスに明確なルールを求めていたことが明らかになり、Cisco Systems、Microsoftもこれに賛同を寄せた。その後、MotorolaのFRAND特許乱用について、AppleがECに苦情を申し立てていたことも、Motorolaが米証券取引委員会(SEC)に提出した書類から明らかになっている。

MotorolaがH.264のライセンス料を過剰に求めている?

 通常、特許ライセンス条項について、そのライセンス料の金額(使用料金)などの詳細が公開されることはないが、今回Heiner氏は具体的にMotorolaが求めているライセンス料について明かしている。それによると、Motorolaは動画圧縮方式であるH.264に関連する特許を50件保有しており、Microsoftにロイヤリティーとして、1000ドルのノートPCの場合1台あたり22.5ドル、2000ドルのノートPCでは1台あたり45ドルを求めているという。

 なお、H.264を実装するには、これ以外に29社から2300件以上の特許技術が必要であり、Microsoftがこれら29社/2300件に払うライセンス料金はわずか2セント、「Motorolaはたった50の特許を利用するのに、1000倍以上の金額を求めている」と主張している。

 Heiner氏の攻撃はMotorolaを買収するGoogleにも及んでおり、「GoogleはAndroid端末メーカーに対し、Microsoftなどの企業からの特許訴訟から保護すると述べているが、Googleのアプローチとわれわれのアプローチは大きく異なる」と記している。そして、Microsoftは特許侵害にフォーカスしているのであって、必須技術特許を根拠に製品の販売を阻害するようなことはしていない、と主張している。

 AppleはSamsung、HTC、MotorolaなどのAndroidメーカーを相手に訴訟を起こして戦うことが多いが、MicrosoftはAndroidメーカーと特許クロスライセンスを次々と結んでいる。たとえば2011年9月には、Samsungと特許クロスライセンス契約を締結したことを発表している。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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